伊勢物語-第百十八段 玉かづら

 
伊勢物語







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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」

(原文)

むかし、男、久しく音もせで、「忘るる心もなし、まゐり来む」といへりければ、

和歌(200)

玉かづらはふ木あまたになりぬればたえぬ心のうれしげもなし

 

(現代訳)

昔、男が女のもとに長い間連絡もせず、「貴女を忘れる気持ちなど無い。伺いたい」と言ったので、

和歌(200)

つる草のように、あちらこちらの多くの木に絡むようにたくさんの女のもとへ通っていらっしゃるのですから、心を掛けてくださり、忘れることは無いといわれたところで、一向に嬉しくはありません。

時代背景としては、男は、たくさんの女のもとへ通うのが当然でなんら咎められることない時代でしょうが、

そんな背景は抜きにして、生身の一人の女性としては我慢ならないと訴えています。

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