伊勢物語-第九段 蒔きしなでしこ(伝 為氏本)

 







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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」

(原文)

昔、男えあふまじかるける人を恋ひわたりて、

和歌(12)

わが宿に蒔きしなでしこいつしかも花に咲かなむよそへてもみむ

 

(現代訳)

昔、男がとても逢うこともできそうにない女を恋し続けて、

和歌(12)

私の家に蒔いたなでしこの花が早く咲いてほしい。その花を愛しいあの人となぞらえてみたいものだ。

男は、やがて咲く「なでしこの花」を愛しい女になぞらえました。

恐らく可憐な女性なのでしょう…

 

可憐な女性を「なでしこの花」にたとえるこの風潮は現代にも残っていますが…なんとも切ない歌です。

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