伊勢物語-第十三段 虫の音や(伝 為氏本)

 







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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」

(原文)

昔、物思ふ男、目をさまして、の方を見出して臥したるに、前栽せざいの中に虫の声なきければ、

和歌(17)

かしがまし草葉にかかる虫の音やわれだに物をいはでこそ思へ

 

(現代訳)

昔、物思いに悩んでいる男が、目をさまし外の方を見て横になっているときに、植え込みの中から虫の鳴き声が聞こえてきたので、

和歌(17)

やかましいことだ。草葉にとまる虫の声がこんなにも聞こえてくる。私でさえも物を言ったり泣いたりせずに物思いに耽っているとゆうのに…

  • 前栽せざい

庭先の植え込み。

 

物思いにあれこれ考えているときに植え込みから虫の声、蝉のうるさい鳴き声ではないでしょうから、逆に趣がありそうですが…

物思いに耽る男には気にくわなかったみたいです。

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