伊勢物語-第二十六段 もろこし船 2020-04-14 2020-07-07 WRITER 雨野やたしげ この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 (原文) むかし、男、五条わたりなるける女を、え得ずなりにけることとわびたりける、人の返りごとに、 和歌(58) 思ほえず袖にみなとのさわぐかなもろこし船のよりしばかりに (現代訳) 昔、五条辺りに住んでいた女を自分の手に入れられなくなってしまったと嘆いていた男がいたが、その男が、ある人への返事に、次のように詠んだ。 和歌(58) 思いがけず、港に大波が立つような騒ぎで、わたしの袖が涙であふれて濡れることになるとは。 もろこし船が寄港しただけで、大波が立っているように、わたしの袖は激しく涙であふれてしまいました。 もろこし船 中国の大きな船。寄港するだけで大きな波が立ちます。 不思議な表現な歌です。 この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 前の記事 -Prev- 伊勢物語-第二十五段 逢はで寝る夜 次の記事 -Next- 伊勢物語-第二十七段 たらひの影 関連記事 - Related Posts - 伊勢物語-第百段 忘れ草 伊勢物語-第七十七段 春の別れ 伊勢物語-第二十二段 千夜を一夜 伊勢物語-第六十八段 住吉の浜 最新記事 - New Posts - 伊勢物語-第十三段 虫の音や(伝 為氏本) 伊勢物語-第十二段 夕月夜(伝 為氏本) 伊勢物語-第十一段 むばたまの(伝 為氏本) 伊勢物語-第十段 月しあれば(伝 為氏本)