伊勢物語-第三十二段 倭文の苧環 2020-05-09 2020-07-07 WRITER 雨野やたしげ この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 (原文) むかし、ものいひける女に、年ごろありて、 和歌(65) いにしへのしづのをだまきくりかへし昔を今になすよしもがな といへりけれど、なにとも思はずやありけむ。 (現代訳) 昔、男が、かつて親しく語らう関係であった女に、年月が経ってから、 和歌(65) 織物を織るために糸を紡いで巻き取った糸玉から糸を繰るように、かつてのようにやり直す手立てがあればとしみじみと思います。 と歌を送ったが、その女は男のことをなんとも思わなかったのであろうか、返事は無かった。 和歌(65) 「しづやしづ倭文のをだまき繰りかへし昔を今になすよしもがな」 と静御前が頼朝の前で、夫の義経を偲しのんで白拍子の舞を舞いながら歌ったことは、よく語られる話です。 女は、現在の生活に満足しているのか、男のこの歌に返信をしなかった・・・現代でもありそうな話ですね。 この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 前の記事 -Prev- 伊勢物語-第三十一段 よしや草葉よ 次の記事 -Next- 伊勢物語-第三十三段 こもり江 関連記事 - Related Posts - 伊勢物語-第三段 ひじき藻 伊勢物語-第二十八段 あふごかたみ 伊勢物語-第九十八段 梅の造り枝 伊勢物語-第百九段 人こそあだに 最新記事 - New Posts - 伊勢物語 あとがき 伊勢物語-第十八段 あきの夜も(伝 為氏本) 伊勢物語-第十七段 夢と知りせば(伝 為氏本) 伊勢物語-第十六段 太刀のをがはの(伝 為氏本)