伊勢物語-第三十四段 つれなかりける人

 
伊勢物語







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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」

(原文)

むかし、男、つれなかりける人のもとに、

和歌(68)

いへばえにいはねば胸にさわがれて心ひとつに嘆くころかな

 

おもなくていへるなるべし。

 

(現代訳)

昔、ある男が無情で冷淡な女のもとに、

和歌(68)

口に出して言おうとすれば、言うことができず、言わないでいれば胸の思いがかき乱されてしまい、心の中で嘆いているばかりいるのこのところですよ。

 

臆面もなく、思い切ってよく詠んだものである。

自分に対して全く好意を示さないつれない相手であるのは承知の上だが、あきらめきれない・・・、

軽蔑されるかもしれない・・・それでも臆面もなくこの思いだけは、届けたい。

 

そのような感じでしょうか。

 

現代でもあり得る状況ですよね。

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