伊勢物語-第八段 浅間の嶽 2019-08-03 2020-07-07 WRITER 雨野やたしげ 1 この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 (原文) むかし、男ありけり。 京や住み憂かりけむ、あづまの方に行きて住み所もとむとて、友とする人、ひとりふたりして行きけり。 信濃の国浅間の嶽たけに煙けぶりの立つを見て、 和歌(9) 信濃なる浅間の嶽たけに立つ煙けぶりをちこち人の見やはとがめぬ (現代訳) 昔、男がいた。 京が住みづらかったのであろうか、東国の方に行って、住む所を探そうということで、一人二人の友と行った。 信濃の国の浅間の嶽たけに煙が立ちのぼるのを見て、 和歌(9) 信濃の国にある浅間の嶽たけに立ちのぼる煙を遠くの人も近くの人もこれを見て不思議に思わないのだろうか。 いや、不思議に思うはずだ。 信濃の国にある浅間の嶽たけ 東国に向かうのに、現在の東海道だと浅間山を見ることはできません。 ただ、古事記で倭建命やまとたけるのみことが東征で採ったルートは、東海道ではなく、足柄峠、伊吹山を通る内陸部を通るルートでしたし、 業平なりひらが内陸部を通ったことも十分に考えられますが、そもそも歌物語ですので、東海道を通って見えるはずのない浅間山を詠んでもそれはそれで問題ない話です。 この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 前の記事 -Prev- 伊勢物語-第七段 かへる浪 次の記事 -Next- 伊勢物語-第九段 東下り 関連記事 - Related Posts - 伊勢物語-第七十七段 春の別れ 伊勢物語-第九十六段 天の逆手 伊勢物語-第九十七段 四十の賀 伊勢物語-第九十二段 棚なし小舟 最新記事 - New Posts - 伊勢物語 あとがき 伊勢物語-第十八段 あきの夜も(伝 為氏本) 伊勢物語-第十七段 夢と知りせば(伝 為氏本) 伊勢物語-第十六段 太刀のをがはの(伝 為氏本)