2019/01/07

古事記を読む(106)上つ巻-日向三代

 




この記事を書いている人 - WRITER -
雨野やたしげ
フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰を強く願う「自分たちの神話を学ばない民族に未来はない」。

海幸彦うみさちひこ山幸彦やまさちひこ

しばらくして、兄の火照命ほでりのみことは、弟の火遠理命ほおりのみことに、

「山の獲物も、海の獲物も、獲るには、それぞれ自分の道具を使わないと上手くは得られない。そういうことで、交換した道具を、元に戻そう」

と言いました。

これに対して、弟の火遠理命ほおりのみことは、

「兄さんの釣針で魚釣りをしたのですが、1匹も釣れずに、失くしてしまいました」

と答えました。

しかし、兄の火照命ほでりのみことは、むやみに返せと責め立てました。

そこで弟の火遠理命ほおりのみことは、十拳剣とつかのつるぎを砕いて、500本もの釣針を作って、弁償しようとしましたが、兄の火照命ほでりのみことは、受け取ってくれませんでした。

そこで、次は、1000本もの釣針を作って、弁償しようとしましたが、受け取ってくれませんでした。

兄の火照命ほでりのみことは、

「元の釣針を返してくれ」

と言いました。

この頃の釣針は、貴重品です。

そして、何か思い入れがあるのか、兄の火照命ほでりのみことは、「元の釣針を返せ」と頑として譲りません。

このことが、現代の皇室へと続く道を作り、兄の火照命ほでりのみことを一方的に不幸に導きます。

しかし、

いわば、畑違いの素人に道具を貸してくれと言われて、「嫌だ」と断っていたのですが、あまりのしつこさに貸したら、その道具を失くされてしまい・・・

弁償を受け取らない頑固さは、あったでしょうが、兄の火照命ほでりのみことにそんなに非はないのではと思ってしまいます。

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雨野やたしげ
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