古事記を読む(108)上つ巻-日向三代

 







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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」

海幸彦うみさちひこ山幸彦やまさちひこ

火遠理命ほおりのみことを小舟に乗せると、

塩椎神しおつちのかみは、

「わたしがこの舟を押し流すので、しばらくそのまま進んで行きなさい。良い御路があり、その御路にお乗りになると、魚のうろこのように、びっしりと並べ立つ宮殿があり、それが綿津見神わだつみのかみの宮殿です。その神の門に着きましたら、近くの井のほとりに桂の木があります。その木の上においでになれば、その海の神の娘が取り計らってくれるでしょう」

と言いました。

火遠理命ほおりのみことは、塩椎神しおつちのかみの教えの通りに行くと、言葉通りの宮殿があり、井のほとりの桂の木の上に登りました。

すると海の神の娘の豊玉毘売とよたまひめ侍女じじょが、玉器を持って井の水を汲もうとしたところ、井に光が見えたので、見上げると麗しい男性がいるのが見え、侍女じじょは、大層不思議がりました。

火遠理命ほおりのみことの父親の邇邇芸命ににぎのみことは、山の神の娘の木花之佐久夜毘売このはなさくやひめと結婚しました。

そして、火遠理命ほおりのみこと自身は、海の神の娘の豊玉毘売とよたまひめにロックオンしました。

まぁ、それを薦めたのは、塩椎神しおつちのかみなんですが、なかなか絶妙で、山の神の次は、海の神を味方に付ける。

これは、葦原中国あしはらのなかつくにを統治する上で非常に重要なことです。

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