日の本の屋根裏から日本を考える

古事記を読む(109)上つ巻-日向三代

 







この記事を書いている人 - WRITER -
雨野やたしげ
フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰を強く願う「自分たちの神話を学ばない民族に未来はない」。

海幸彦うみさちひこ山幸彦やまさちひこ

火遠理命ほおりのみことは、その侍女じじょを見て、水をお求めになりました。

侍女じじょは、玉器に水を汲み入れて差し出しました。

火遠理命ほおりのみことは、水を飲むことなく、自ら掛けていた首飾りを解いて、その玉の1つを口に含み、その玉器に吐き出しました。

するとその玉が玉器にくっついたまま、取れなくなりました。

侍女じじょはこの玉がついたままの玉器を豊玉毘売とよたまひめのもとに持って行きました。

豊玉毘売とよたまひめは、玉器にくっついたままの玉を見て、侍女じじょに、

「もしや、門の外に誰か人がいるのですか」

とお尋ねになりました。

 

すると侍女じじょは、

「人がいました。井の上の桂の木の上にいました。とても麗しい男性で、海神よりも素敵な方です。その方が水をお求めになりましたので、わたしが水を差し上げたのですが、その水を飲まずに、この玉を吐き入れたのです。するとこの玉が取れないので、そのまま持ってきました」

と答えました。

古代、唾液には、不思議な力や気が宿ると考えられていました。

天つ神あまつかみの御子である火遠理命ほおりのみことともなれば、その霊力は莫大でしょう。
その力を見せつけるというか、豊玉毘売とよたまひめに自分がどういう人物かを知らせると、豊玉毘売とよたまひめの方から自然と現れるであろうという考えのもとの確信犯と言えると思います。

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