2019/01/07

古事記を読む(130)中つ巻-初代・神武天皇

 




この記事を書いている人 - WRITER -
雨野やたしげ
フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰を強く願う「自分たちの神話を学ばない民族に未来はない」。

兄宇迦斯えうかし弟宇迦斯おとうかし

そこで、大伴連おおとものむらじの祖である道臣命みちのおみのみこと久米直くめのあたいの祖である大久米命おおくめのみことの2人が兄宇迦斯えうかしを呼び、

「お仕えするために作った御殿の中に、まずおまえが入り、神倭伊波礼毘古命かむやまといわれびこのみことにどのようにお仕えするのかを示しなさい」

と罵って言い、

太刀の柄を握り、矛を向けて、矢をつかえ、兄宇迦斯えうかしを御殿の中に追い立てました。

すると兄宇迦斯えうかしは、自ら作った罠である押機おしに打たれて死んでしまいました。

道臣命みちのおみのみこと大久米命おおくめのみことは、兄宇迦斯えうかしをすぐに罠から引きずり出して、斬り散らしました。

それでこの土地を宇陀うだ血原ちはらといいます。

弟宇迦斯おとうかしが献上した大饗おおあえは、すべて道臣命みちのおみのみこと大久米命おおくめのみことの軍に与えられました。

このとき、神倭伊波礼毘古命かむやまといわれびこのみことは、次の歌をお詠みになりました。

和歌(10)

宇陀の 高城に 鴫罠張る 我が待つや 鴫は障らず いすくはし 鯨障る 前妻が 肴乞はさば たちそばの 実の無けくを こきしひゑね 後妻が 肴乞はさば いちさかき 実の多けくを こきだひゑね ええ しやこしや こはいのごふそ ああ しやこしや こは嘲笑ふぞ

(宇陀の高原に しぎの罠を張る。待ってもしぎは掛からず、鯨が掛かった。
古女房が肴を欲しがったら、肉があまりない部分を削ぎ取ってやると良い。新妻が肴を欲しがったら、肉が多い部分を、削ぎ取ってやると良い。えーシヤゴシヤ。あーシヤゴシヤ)

 

弟宇迦斯おとうかしは、宇陀うだ水取もいとりの祖です。

大饗おおあえご馳走。

和歌(10):この和歌(10)は、鳥のしぎの罠に鯨が掛かったというところと古女房と新妻への待遇の差で盛り上がるのだと思います。当時は、一夫多妻制です。

宇陀うだ水取もいとり水を扱った氏族。

 

 

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