古事記を読む(154)中つ巻-第10代・崇神天皇 2018-10-11 WRITER 雨野やたしげ 1 この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 将軍の派遣 崇神すじん天皇は、大毘古命おおびこのみことを高志道こしのみち(北陸道)に派遣し、大毘古命おおびこのみことの子である建沼河別命たけぬなかわわけのみことを東方十二道(東海地方の諸国)に派遣して、従わない者たちを服従させ平定をしました。 また日子坐王ひこいますのみこを丹波国たんばのくにに派遣して、玖賀耳之御笠くがみみのみかさを殺害させました。 ところで、大毘古命おおびこのみことが高志国こしのくにに行く途中、 腰に布を巻いた少女が山代やましろ(京都府)の幣羅坂へらさかに立って、 次の歌を歌っていました。 和歌(21) 御真木入日子みまきいりびこはや 御真木入日子みまきいりびこはや 己が緒を 盗み殺せむと 後つ戸よ い行き違ひ前つ戸よ い行き違ひ窺はく 知らにと 御真木入日子みまきいりびこはや (御真木入日子みまきいりびこ(祟神天皇)よ。御真木入日子みまきいりびこよ。 自分の命をこっそりと狙う人物が後ろの戸から行き違い、前の戸から行き違い、 様子を伺っているというのに、そのことを何も知らない・・・御真木入日子みまきいりびこよ ) 大毘古命おおびこのみことは、この歌を聴いて、馬を引き返してその少女に問いました。 「あたたが言ったことは、どういう意味か」 すると少女は、 「わたしは何も言っていません。ただ歌を歌っていただけです」 と言うと、姿を消してしまいました。 大毘古命おおびこのみこと:孝元こうげん天皇の息子。 日子坐王ひこいますのみこ:開化かいか天皇の息子。 この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 前の記事 -Prev- 古事記を読む(153)中つ巻-第10代・崇神天皇 次の記事 -Next- 古事記を読む(155)中つ巻-第10代・崇神天皇 関連記事 - Related Posts - 古事記を読む(69)上つ巻-大国主神 古事記を読む(209)中つ巻-第15代・応神天皇 古事記を読む(60)上つ巻-大国主神 古事記を読む(68)上つ巻-大国主神 最新記事 - New Posts - 伊勢物語 あとがき 伊勢物語-第十八段 あきの夜も(伝 為氏本) 伊勢物語-第十七段 夢と知りせば(伝 為氏本) 伊勢物語-第十六段 太刀のをがはの(伝 為氏本)