古事記を読む(169)中つ巻-第11代・垂仁天皇

 







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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」

本牟智和気御子ほむちわけのみこ

垂仁すいにん天皇は、本牟智和気御子ほむちわけのみこが、その白鳥を見て、話をするようになるのではと思っていましたが、そうはなりませんでした。

 

垂仁すいにん天皇が、悩み、お眠りになっていると、夢の中で次のような声がありました。

「我が宮を天皇の住居と同じようなものに立派に建て直せば、本牟智和気御子ほむちわけのみこは、言葉を話すようになるであろう」

目を覚ました垂仁すいにん天皇は、太占ふとまにで占い、どの神の声であるのかを調べました。

すると、その声は、出雲の大神のものでした。

 

垂仁すいにん天皇は、本牟智和気御子ほむちわけのみこにその出雲の大神の宮を参拝させるためには、誰を本牟智和気御子ほむちわけのみこに従わせればよいか考えました。

 

垂仁すいにん天皇は、曙立王あけたつのみこに命じて、誓約うけいをさせました。

「この大神を拝むことで、誠に良いことがあるのならば、この鷺巣池さぎすのいけの木に止まっているさぎよ。誓約うけいによって落ちよ」

すると、そのさぎは、地面に落ちて死んでしまいました。

 

また、

誓約うけいによって生きよ」

と言うと、そのさぎは、生き返りました。

 

次に、甘樫の前にある葉の広い大きなかしの木を誓約うけいによって、枯らしてしまい、そして生き返らせました。

 

垂仁すいにん天皇は、曙立王あけたつのみこ倭者師木登美豊朝倉曙立王やまとはしきとみとよあさくらのあけたつのみこという名をたまいました。

太占ふとまに鹿の骨を焼いて、ひびの入り方で占う古代の占い。

出雲の大神:大国主神おおくにぬしのかみ

 

大国主神おおくにぬしのかみは何故、祟りを起こすのか。

国譲りは、古事記では話し合いで行われたということになっていますが、史実は、そう簡単なものではなく、大和の朝廷が出雲に対して、祟られ兼ねないことをしたという見方もできます。

大和は、出雲を丁重に祀ってきた歴史があります。

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