古事記を読む(169)中つ巻-第11代・垂仁天皇 2018-11-19 2019-01-07 WRITER 雨野やたしげ 1 この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 本牟智和気御子ほむちわけのみこ 垂仁すいにん天皇は、本牟智和気御子ほむちわけのみこが、その白鳥を見て、話をするようになるのではと思っていましたが、そうはなりませんでした。 垂仁すいにん天皇が、悩み、お眠りになっていると、夢の中で次のような声がありました。 「我が宮を天皇の住居と同じようなものに立派に建て直せば、本牟智和気御子ほむちわけのみこは、言葉を話すようになるであろう」 目を覚ました垂仁すいにん天皇は、太占ふとまにで占い、どの神の声であるのかを調べました。 すると、その声は、出雲の大神のものでした。 垂仁すいにん天皇は、本牟智和気御子ほむちわけのみこにその出雲の大神の宮を参拝させるためには、誰を本牟智和気御子ほむちわけのみこに従わせればよいか考えました。 垂仁すいにん天皇は、曙立王あけたつのみこに命じて、誓約うけいをさせました。 「この大神を拝むことで、誠に良いことがあるのならば、この鷺巣池さぎすのいけの木に止まっている鷺さぎよ。誓約うけいによって落ちよ」 すると、その鷺さぎは、地面に落ちて死んでしまいました。 また、 「誓約うけいによって生きよ」 と言うと、その鷺さぎは、生き返りました。 次に、甘樫の前にある葉の広い大きな樫かしの木を誓約うけいによって、枯らしてしまい、そして生き返らせました。 垂仁すいにん天皇は、曙立王あけたつのみこに倭者師木登美豊朝倉曙立王やまとはしきとみとよあさくらのあけたつのみこという名を賜たまいました。 太占ふとまに:鹿の骨を焼いて、ひびの入り方で占う古代の占い。 出雲の大神:大国主神おおくにぬしのかみ。 大国主神おおくにぬしのかみは何故、祟りを起こすのか。 国譲りは、古事記では話し合いで行われたということになっていますが、史実は、そう簡単なものではなく、大和の朝廷が出雲に対して、祟られ兼ねないことをしたという見方もできます。 大和は、出雲を丁重に祀ってきた歴史があります。 この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 前の記事 -Prev- 古事記を読む(168)中つ巻-第11代・垂仁天皇 次の記事 -Next- 古事記を読む(170)中つ巻-第11代・垂仁天皇 関連記事 - Related Posts - 古事記を読む(254)下つ巻-第23代・顕宗天皇 古事記を読む(203)中つ巻-第15代・応神天皇 古事記を読む(210)中つ巻-第15代・応神天皇 古事記を読む(116)上つ巻-日向三代 最新記事 - New Posts - 伊勢物語 あとがき 伊勢物語-第十八段 あきの夜も(伝 為氏本) 伊勢物語-第十七段 夢と知りせば(伝 為氏本) 伊勢物語-第十六段 太刀のをがはの(伝 為氏本)