古事記を読む(32)上つ巻-天照大御神と須佐之男命
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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。
日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。
古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」
天の石屋戸
天照大御神が
機織小屋で神にささげる神衣を織らせていると、
須佐之男命は、その小屋の屋根に穴をあけ、皮を尻の方から剥いだ馬を落とし入れました。
機織女は、それに驚き、
梭で陰部を突き刺して死んでしまいました。
このことを見た天照大御神は、恐ろしくなり、天の石屋戸を開けてその中に籠ってしまいました。
これにより高天原は暗闇に包まれ、地上世界の葦原中国までも暗闇となり、朝が来ない永遠の夜が続く世界になりました。
すると、万物の邪神の声が夏蝿のように満ち溢れ、万物の災いがことごとく起こりました。
天の石屋戸:高天原にある洞窟を塞ぐ岩。
梭:横糸を通す道具。
これが有名な天照大御神の天の石屋戸隠れです。
最初は寛大であった天照大御神も、人が死ぬ事態を招き、かばいきれなくなります。
弟のこの悪行を見た天照大御神は、原文では「故是に天照大御神見畏みて」となっており、「天照大御神は、恐ろしくなり」と読み取れますが、そのなかには相当な怒りが込められており、この後、須佐之男命は、爪を剥がされ高天原を追放されます。
とはいえ、最高神天照大御神がすべてを放り投げ、引き籠もるというまさかの展開になりました。
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