古事記を読む(33)上つ巻-天照大御神と須佐之男命
この記事を書いている人 - WRITER -
フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。
日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。
古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」
天の石屋戸
八百万の神が天の安の河原に集まり、高御産巣日神の子の思金神に思案させ対策を考えました。
思金神の考えた対策は、祭りを開くというものでした。
まず長鳴鳥(にわとり)が集められ、鳴かせることにしました。
次に、天の安の河の上流にある天の堅石と、天の金山の鉄を取り、鍛冶屋の天津麻羅を探し、伊斯許理度売命に鏡(八咫鏡)を作らせ、
玉祖命に命じて、大きな
勾玉を多数連ねた玉緒(
八尺勾玉)を作らせ、
次に、天児屋命と布刀玉命を召し、天の香山の牡鹿の肩の骨を抜き取き、天の香山の樺桜を取ってきてその骨を焼いて占いをさせました。
八百万:古事記では、「八」という数字が頻繁に出てきますが、これは「多数」という意味です。八百万も実際に八百万という訳ではなく、数が多いということです。
思金神:非常に頭が良く、何か問題が起こると、天照大御神の求めにより思金神が対策を考えます。
高天原で問題が起きると、神々は、今後も天の安の河原に集まり、
思金神を中心にしてあれやこれやと相談し対策を考えます。
今回は、天照大御神が存在しませんが、天照大御神が存在する相談場面でも、天照大御神の独断でトップダウン式で何かを決定するということはありません。
これは、れっきとした合議制です。
日本は古代から、独裁ではなく、少なくとも理想として合議制の民主主義をアイデンティティとしているのが分かり、個人的に大変重要なシーンだと思っています。
そして、皇位のしるしとして、現在でも継承されている三種の神器(八咫鏡、八尺勾玉、草薙剣)のうちの2つである八咫鏡と八尺勾玉は、このとき作られたものとされています。
この記事を書いている人 - WRITER -
フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。
日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。
古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」