古事記を読む(62)上つ巻-大国主神

 







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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」

根之堅洲国ねのかたすくに

須佐之男命すさのおのみことは、黄泉比良坂よもつひらさかまで追いかけて行き、遥か遠くを見上げ、大穴牟遅神おおなむぢのかみへ呼びかけ、

「おまえが持っている生大刀いくたち生弓矢いくゆみやで、おまえの庶兄弟あにおとどもを山のすそに追いつめ、また川の瀬に追い払って、おまえが大国主神おおくにぬしのかみとなり、また宇都志国玉神うつしくにたまとなって、我が娘の須勢理毘売すせりびめを正妻として、宇迦うかの山のふもとに地中の岩盤を土台にして太い柱を立て、千木ちぎを天高く立てて、壮大な宮殿に住め。このやろう」

と仰せになりました。

そして、大穴牟遅神おおなむぢのかみは、生大刀いくたち生弓矢いくゆみや八十神やそがみを、山のすそに追いつめ、川の瀬に追い払って、国をお作りになりました。

黄泉比良坂よもつひらさか黄泉国よみのくにと現実の世界の境にある坂。

庶兄弟あにおと異母兄弟。

 

今後、大穴牟遅神おおなむぢのかみは、大国主神おおくにぬしのかみとなります。

須佐之男命すさのおのみことは、相当怒っていたでしょうが、言っても相手は、娘と娘婿、最後は粋な祝いの言葉で締めました。

 

そして、須佐之男命すさのおのみことは、以後、古事記では出てきません。

出雲は、須佐之男命すさのおのみことから大国主神おおくにぬしのかみの時代へと移りました。

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