古事記を読む(83)上つ巻-国譲り
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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。
日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。
古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」
天菩比神と天若日子
天若日子の妻の
下照比売の泣き声が、風に乗って響き、天まで届きました。
この泣き声を天にいる天若日子の父親の天津国玉神と天若日子の妻子が聞き、地上に降りて来て泣き悲しみました。
そして、その地に喪屋を作って、川雁(川にいる水鳥)を食物を供える役、鷺を掃除をする役、翡翠を食物を作る役、雀を米をつく女、雉を泣き女、このようにして役割を定めて、八日八夜にわたって、歌い舞いして、死者を弔いました。
このとき、阿遅志貴高日子根神(下照比売の兄)が訪れました。
天から降りてきた天若日子の父親の天津国玉神と天若日子の妻子が泣きながら、
「我が子は、死なずに生きていた」
「わたしの君は死なずに生きていらっしゃった」
と言って、
阿遅志貴高日子根神の手足にすがって泣き愛おしがりました。
天若日子の父と妻が、
天若日子と
阿遅志貴高日子根神の2人を間違っってしまったのは、この2人がとても似ていたからです。
喪屋:遺族が喪中を過ごしたり、遺体を安置しておく場所。
要は、天若日子が亡くなって、その父と妻子がお葬式に訪れたところ、天若日子のもう1人の妻の兄の阿遅志貴高日子根神もお葬式に訪れ、天若日子とそっくりであったため、天若日子の父と妻子が勘違いして、
「死んでなかった」と喜んで、手足にすがりついたということです。
死者と間違われた阿遅志貴高日子根神は、気分を害して・・・
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