古事記を読む(86)上つ巻-国譲り 2018-06-17 2019-01-07 WRITER 雨野やたしげ 1 この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 建御雷神たけみかづちのかみ この天鳥船神あめのとりふねのかみと建御雷神たけみかづちのかみの二柱の神は、出雲国いずものくにの伊那佐いざさの浜に降り立ちました。 建御雷神たけみかづちのかみは、十拳剣とつかのつるぎを抜き、波頭に逆さまに立て、その剣の刃の上にあぐらを組んで座りながら、大国主神おおくにぬしのかみに、 「わたしは、天照大御神あまてらすおおみかみと高木神たかぎのかみ(高御産巣日神たかみむすびのかみ)の命による遣いとして来た。そなたが領有する葦原中国あしはらのなかつくには、もともと我が御子みこが統治する国であるとされているが、そなたはどのように考える」 と問いました。 すると、大国主神おおくにぬしのかみは、 「わたしは、申し上げることができません。我が子の八重言代主神やえことしろぬしのかみが申し上げるでしょう。しかし、鳥を狩り、魚を釣りに、美保の岬に出掛けたまま、まだ帰っていません」 とお答えになりました。 ようやく建御雷神たけみかづちのかみが「国譲り」の交渉に入りましたが、剣先を自分の尻におっ立てて、その上にあぐらをかいているんですから、内心大国主神おおくにぬしのかみは、びびりまくっていたことでしょう。 この時点で、交渉成立しているようなものです。 しかし、大国主神おおくにぬしのかみは、権限を子どもに譲っていたのか子どもに判断を委ねました。 この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 前の記事 -Prev- 古事記を読む(85)上つ巻-国譲り 次の記事 -Next- 古事記を読む(87)上つ巻-国譲り 関連記事 - Related Posts - 古事記を読む(235)下つ巻-第20代・安康天皇 古事記を読む(135)中つ巻-初代・神武天皇 古事記を読む(0) 古事記を読む(175)中つ巻-第12代・景行天皇 最新記事 - New Posts - 伊勢物語 あとがき 伊勢物語-第十八段 あきの夜も(伝 為氏本) 伊勢物語-第十七段 夢と知りせば(伝 為氏本) 伊勢物語-第十六段 太刀のをがはの(伝 為氏本)