古事記を読む(92)上つ巻-天孫降臨

 







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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」

天降り

天照大御神あまてらすおおみかみ高木神たかぎのかみは、太子である正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命まさかつあかつかちはやひあめのおしほみみのみことに、

「今、葦原中国あしはらのなかつくにを平定したと報告があった。命じたとおりに、葦原中国あしはらのなかつくにに降って統治しなさい」

と仰せになりました。

ところが、太子である正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命まさかつあかつかちはやひあめのおしほみみのみことは、

「わたしが地上に降りる準備をしておりましたら、子が生まれました。名前は、

天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命あめにきしくににきしあまつひこひこほのににぎのみことといいます。この子を地上に遣わせるべきでしょう」

と答えました。

何故孫?

古事記の編纂は、天武天皇の命で始められましたが、完成を待たず崩御なさいます。

次に、その妻が持統天皇として即位し、古事記がちょうど編纂されていたのは、この持統天皇の時代。持統天皇の子である草壁皇子くさかべのおうじが亡くなってしまい、持統天皇は、その後継者としてそれまでの慣わしを無視して、まだ幼い草壁皇子くさかべのおうじの子(持統天皇の孫)を文武天皇として即位させます。

こうした孫の即位の正当性を示すために、天照大御神あまてらすおおみかみの子の正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命まさかつあかつかちはやひあめのおしほみみのみことではなく、孫の邇邇芸命ににぎのみことを降臨させたという説があります。

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