立春:東風解凍(はるかぜこおりをとく)

 







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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」
東風こちが冬の間に張った川や湖の氷を解かし始める時季。

東風こち

春本番とはまだ言えないが、春の兆しを知らせてくれる春風。

春は東を司るという中国の陰陽五行の思想にもとづき、東風こちと呼ばれます。

しかし、東風こちが吹けば、春は、もう目の前まで来ていると喜ばれてきました。

 

和歌や俳句にもよく詠まれ、代表的なものが、

菅原道真

東風こち吹かば匂ひをこせよ梅の花主なしとて春を忘るな」

東風こちが吹いたら、匂いを送っておくれ梅の花よ、主人がいないからといって、春を忘れないでおくれ)

 

節分

本来、立春、立夏、立秋、立冬の前日の年4回ですが、昨今では専ら、立春の前日のことに。

つまり、二十四節気が「立春」になり、七十二候が「東風解凍はるかぜこおりをとく」になる前日は、豆まきを行い、恵方巻きを食べていることに。

 

2021年の節分は、124年ぶりに2月2日に。

 

蕗の薹ふきのとう

東風こちが解かした雪の下からは、蕗の薹ふきのとうが顔を出します。

 

春の山菜特有の独特の苦みと香りをもちますが、これは体には良いものであり、

冬の間に溜め込まれた若芽のエネルギーをいただいて、心身ともに活発に。

 

佐保姫

暦の上では春になり、日本の四季は、冬を司る「宇津田姫」から春を司る「佐保姫」の手に。

 

奈良の佐保山に住まい、その麓の佐保川は、まさに春の花・桜の名所。

佐保姫の微笑み一つで、日本列島を春が駆け巡ります。

 

そして、和歌にもたびたび登場します。

後鳥羽院

「佐保姫の霞の衣ぬきをうすみ花の錦をたちやかさねむ」

(佐保姫がまとう霞の衣は緯糸が少ない。だから花々を錦にして重ね着するのであろうか)

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