立春:黄鶯睍睆(うぐいすなく)

 
鶯







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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」

鶯が山里で美しい鳴き声を響かせ春を告げる時季。

別名「春告鳥はるつげどり」、その名の通り、鶯が鳴くと春の到来を感じます。

 

相棒は、もちろん梅の花ですが、このイメージが定着したのは、中国から梅が渡来した飛鳥時代あたりから。

 

ではそれ以前は?

「竹に鶯」…

 

そして、鶯は雑食で基本的には、夏は昆虫類などを捕食し、冬は木の実などを食べているので、梅の木にとまることはそれほど多くないのかもしれません。

 

鶯によく似た鳥のメジロは、梅の花の蜜が大好きで梅の木でよく見掛けることがあり、梅と鶯の組み合わせと思った光景は、案外、梅とメジロの見間違いということも多々あるのかも…

鶯

万葉集にも多く詠まれ、基本的に和歌で詠まれる梅は、「白梅」。

時代が下り、中国から渡来すると、「紅梅」も「源氏物語」に登場します。

一般的には、当時の人々の楽しみ方としては、香りの「白梅」、色の「紅梅」といった感じでしょうか。

 

冬の季語に「探梅」といった言葉があります。

まだ冬のうちに、野山へ早咲きの梅を探しにゆくことですが、元々は中国のこの発想を冬の季語に取り立てたのは、松尾芭蕉であり、面白い発想だと感心します。

 

「香を探る梅に蔵見る軒端のきば哉」

 

鶯餅

春の和菓子といえば、鶯餅。

 

青えんどう豆を挽いた薄緑の黄粉きなこをまぶし、形も両端をすぼめて鶯に似せてある。

実際の鶯を見てみるとよく分かりますが、本物はもっとくすんだ色合いの鳥です。

鶯餅

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