伊勢物語-第十六段 太刀のをがはの(伝 為氏本) 2022-08-09 WRITER 雨野やたしげ この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 (原文) 昔、男はるかなるほどに行きたりけるに、筑紫のつと、人の乞ひたりけるに、色革やるとて、 和歌(21) みやこよりここまで来ればつともなし太刀のをがはのはしのみぞある 所の名なるべし。 (現代訳) 昔、男が都から遠く離れた所にいった時、筑紫のみやげを都の人々が欲しがったところ、色を染め付けたなめし革をあげるということで、次の歌を添えた。 和歌(21) 都からはるばるここまで遠く離れると、ろくなみやげもありません。わずかに太刀を吊り下げる革紐の端があるばかりです 「太刀のをがは」というのは、筑紫の地名であるのだろう。 太刀のをがは 太刀を吊り下げる革紐。 「をがは」は、「緒革」と「小川」の掛詞。 筑紫のみやげには、ろくな物がない…これを地名を読み込んでゆっている。 この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 前の記事 -Prev- 伊勢物語-第十五段 小夜ふけて(伝 為氏本) 次の記事 -Next- 伊勢物語-第十七段 夢と知りせば(伝 為氏本) 関連記事 - Related Posts - 伊勢物語-第七十四段 重なる山 伊勢物語-第四十二段 誰が通ひ路 伊勢物語-第六十六段 みつの浦 伊勢物語-第四十九段 若草 最新記事 - New Posts - 伊勢物語 あとがき 伊勢物語-第十八段 あきの夜も(伝 為氏本) 伊勢物語-第十七段 夢と知りせば(伝 為氏本) 伊勢物語-第十六段 太刀のをがはの(伝 為氏本)