伊勢物語-第十六段 太刀のをがはの(伝 為氏本)

 







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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」

(原文)

昔、男はるかなるほどに行きたりけるに、筑紫のつと、人の乞ひたりけるに、色革やるとて、

和歌(21)

みやこよりここまで来ればつともなし太刀のをがはのはしのみぞある

所の名なるべし。

 

(現代訳)

昔、男が都から遠く離れた所にいった時、筑紫のみやげを都の人々が欲しがったところ、色を染め付けたなめし革をあげるということで、次の歌を添えた。

和歌(21)

都からはるばるここまで遠く離れると、ろくなみやげもありません。わずかに太刀を吊り下げる革紐の端があるばかりです

 

「太刀のをがは」というのは、筑紫の地名であるのだろう。

  • 太刀のをがは

太刀を吊り下げる革紐。

「をがは」は、「緒革」と「小川」の掛詞。

 

筑紫のみやげには、ろくな物がない…これを地名を読み込んでゆっている。

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