日の本の屋根裏から日本を考える

伊勢物語-第三十七段 下紐

 
伊勢物語







この記事を書いている人 - WRITER -
雨野やたしげ
フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」

(原文)

むかし、男、色好みなりける女に逢へりけり。

うしろめたくや思ひけむ、

和歌(71)

我ならで下紐解くな朝顔の夕影またぬ花にはありとも

 

返し、

和歌(72)

二人して結びし紐をひとりしてあひ見るまでは解かじとぞ思ふ

 

(現代訳)

昔、男が好色で気の多い女に逢って関係を持った。

男は、その女の好色ぶりが心配になったのであろうか、

和歌(71)

わたし以外の男と下裳したもの紐を解いて関係を持ってはいけない。

たとえ、あなたが、朝顔の花のように夕陽の光を待たずして、うつろってしまう気の多い女であろうとも。

 

女の返し、

和歌(72)

あなたと二人で結んだ下裳したもの紐を、あなたと再びお逢いするまで、一人で解くなんてことはしないと思っています。

  • 下紐解く
下裳したもの紐を解く、つまり、男女が関係を持つこと。

 

  • 和歌(72)

「万葉集」巻十二2919

「二人して結びし紐を一人して我は解き見じただに逢ふまでは」

に基づく。

また、「二人して結びし紐」は、

関係を持った男女が別れるとき、互いに下裳したもの紐を結び合って、次逢うときまでその紐を解かないという風習があったことに基づく。

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