伊勢物語 あとがき

 







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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」

元服から老いまで

『伊勢物語』は、平安時代に成立した仮名・漢字交じりの歌物語ですが、

主人公の男の名は、明記されていない。

 

第一段は、男の元服から始まり、

男は色好みで、皇女からいわゆる身分の低い女まで、数多の女と恋をする。

 

ただ、誰でも見境なしとゆうわけではなく、

貫かれたポリシーがあった。

 

心が雅な女を身分に関係なく愛し、

心が卑しい女は、例え身分が高かろうが軽蔑した。

 

そんな男もやがて年老いてゆく…

つまり、男の元服から老いまでの一生を客観的に見ることができるのが『伊勢物語』です。

業平の出生の秘密

業平の父は阿保親王、母は伊都内親王であり、

そして、業平は825年生まれです。

 

父・阿保親王は、824年7月まで太宰府にいたことから、

業平の本当の父親は、阿保親王ではなく、その父親、つまり業平の祖父である平城上皇ではないかとゆう噂を、当時の人々は広く耳にしていたのではないか…

こうした、いわばスキャンダルを知った上で当時の人々は『伊勢物語』をどのように読んだのか…

その当たりにまで思いを馳せるとより一層『伊勢物語』が面白くなると思います。

 

最後に業平の辞世の句

ついに行く 道とはかねて 聞きしかど
昨日今日とは 思はざりしを

人は必ず死ぬのは分かっていたが…まさかこんな間近にせまっているとは…

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