伊勢物語-第十二段 夕月夜(伝 為氏本) 2022-05-08 WRITER 雨野やたしげ この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 (原文) 昔、男ありけり。 わりなきことを思ひて、ある所へいひやりける、 和歌(16) 夕月夜あか月がたの朝かげにわが身はなりぬ君を恋ふとて とありけれどいとかたくなりにけり。 (現代訳) 昔、男がいた。 どうにも手の届かない相手のことを恋しく思って、ある女の所へ言いおくった。 和歌(16) 夕月夜の早朝の朝日に照らされる影のように、我が身はうっすらと影薄くなってしまいました。あなたに恋焦がれて、やつれてしまって… 夕月夜 夕方早くに月が出る夜。 夕方早くに月が出るので、沈むのも早い。明け方には月の姿はもうなく、辺りは暗く影も薄くなってしまう。 手の届かない身分違いの恋をして、空しい時間を過ごしていると思われる男自身の存在も、女にとっては影の薄いもの… この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 前の記事 -Prev- 伊勢物語-第十一段 むばたまの(伝 為氏本) 次の記事 -Next- 伊勢物語-第十三段 虫の音や(伝 為氏本) 関連記事 - Related Posts - 伊勢物語-第十七段 夢と知りせば(伝 為氏本) 伊勢物語-第百十七段 住吉行幸 伊勢物語-第二十段 楓のもみぢ 伊勢物語-第五十七段 恋ひわびぬ 最新記事 - New Posts - 伊勢物語 あとがき 伊勢物語-第十八段 あきの夜も(伝 為氏本) 伊勢物語-第十七段 夢と知りせば(伝 為氏本) 伊勢物語-第十六段 太刀のをがはの(伝 為氏本)