伊勢物語-第十一段 むばたまの(伝 為氏本)

 







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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」

(原文)

昔、在原の行平といふ人みまそがりけり。女のもとに、

和歌(14)

思ひつつ居ればすべなしむばたまの夜になりなばわれこそ行かめ

女、

和歌(15)

来ぬ人を今もや来ると待ちし間の名残にけふも寝られざりけり

 

(現代訳)

昔、在原の行平という人がおいでになった。女のもとに、次のような歌を贈った。

和歌(14)

あなたのことを思い続けていると、どうしようもなくて仕方がないのです。夜になれば私の方から訪ねていきましょう。

女、

和歌(15)

待てども来ない人を、今来るかと待っていた間の辛い名残があり、今日も寝られませんでした。

  • 在原の行平

在原業平の兄。

 

冒頭が「男」ではなく、「在原の行平」とゆう固有名詞が出てくるのは、異例です。

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