日本の二十四節気と七十二候

 







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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」

日本には四季があります。

一年をこまやかに二十四等分した二十四節気、さらにこまやかに七十二等分した七十二候。

とりわけ、七十二候は、季節の出来事をそのまま名前にしたユニークなもので、意識すると日々の季節の移ろいを丁寧に感じることができます。

立春りっしゅん

東風こちが冬の間に張った川や湖の氷を解かし始める時季。

 

鶯が山里で美しい鳴き声を響かせ春を告げる時季。

 

冬の間に張っていた氷が割れて、その間から魚が飛び跳ねる時季。

 

雨水うすい

冷たく固まっていた大地が春の雨で潤い始める時季。

 

気温が少しずつ上がり始め、春霞がたなびき始める時季。

 

  • 草木萌動そうもくめばえいずる(3月1日~4日頃)

暖かい陽光に誘われるかのように草木が芽吹き始める時季。

 

啓蟄けいちつ

  • 蟄虫啓戸すごもりのむしとをひらく(3月5日~9日頃)

地中で冬ごもりしていた虫たちが地上に姿を表す時季。

 

  • 桃始笑ももはじめてさく(3月10日~14日頃)

桃のつぼみがほころび、花が咲き始める時季。

 

  • 菜虫化蝶なむしちょうとなる(3月15日~19日頃)

青虫が蝶になり飛び交い始める時季。

 

春分しゅんぶん

  • 雀始巣すずめはじめてすくう(3月20日~24日頃)

雀が枯れ草などを集めて、巣を作り始める時季。

 

  • 桜始開さくらはじめてひらく(3月25日~29日頃)

うららかな日差しの中で、桜の花が咲き始める時季。

 

  • 雷乃発声かみなりすなわちこえをはっす(3月30日~4月3日頃)

恵みの雨を呼び、春を告げる雷が鳴り始める時季。

 

清明せいめい

  • 玄鳥至つばめきたる(4月4日~8日頃)

燕が南の国から海を渡ってやってくる時季。

 

  • 鴻雁北こうがんかえる(4月9日~13日頃)

燕の渡来と入れ替わりに雁が北へ帰ってゆく時季。

 

  • 虹始見にじはじめてあらわる(4月14日~19日頃)

春の雨上がりに、虹が見え始める時季。

 

穀雨こくう

  • 葭始生あしはじめてしょうず(4月20日~24日頃)

水辺で葭が芽吹き始める時季。

 

  • 霜止出苗しもやみてなえいずる(4月25日~29日頃)

作物の大敵となる霜が降りなくなり、苗が健やかに育つ時季。

 

  • 牡丹華ぼたんはなさく(4月30日~5月4日頃)

美しく華やかな牡丹の花が咲く時季。

 

立夏りっか

  • 蛙始鳴かわずはじめてなく(5月5日~9日頃)

野原や田で蛙が鳴き始める時季。

 

  • 蚯蚓出みみずいずる(5月10日~14日頃)

冬眠していたみみずが地上に出てくる時季。

 

  • 竹笋生たけのこしょうず(5月15日~20日頃)

新緑の中でたけのこが土の外に顔を出す時季。

 

小満しょうまん

  • 蚕起食桑かいこおきてくわをはむ(5月21日~25日頃)

蚕が桑の葉を盛んに食べ始める時季。

 

  • 紅花栄べにばなさかう(5月26日~30日頃)

紅花の花が盛んに咲き誇る時季。

 

  • 麦秋至むぎのときいたる(5月31日~6月4日頃)

麦が小麦色に熟して、麦の穂が実り始める時季。

 

芒種ぼうしゅ

  • 蟷螂生かまきりしょうず(6月5日~9日頃)

秋に産み付けられた卵から、蟷螂かまきり孵化ふかする時季。

 

  • 腐草為螢くされたるくさほたるとなる(6月10日~15日頃)

水辺の草陰からから蛍が舞い、光を放つ時季。

 

  • 梅子黄うめのみきばむ(6月16日~20日頃)

青かった梅の実が黄ばんで熟す時季。

 

夏至げし

  • 乃東枯なつかれくさかるる(6月21日~25日頃)

冬至の頃に芽を出した夏枯草かごそうが黒ずみ枯れたように見える時季。

 

  • 菖蒲華あやめはなさく(6月26日~30日頃)

梅雨の到来を告げるあやめの花が咲き始める時季。

 

  • 半夏生はんげしょうず(7月1日~6日頃)
半夏からすびしゃくが生え始める時季。

 

小暑しょうしょ

  • 温風至あつかぜいたる(7月7日~11日頃)

温かい熱気を帯びた南風が吹き始める時季。

 

  • 蓮始開はすはじめてひらく(7月12日~16日頃)

蓮の蕾がほどかれ、花が咲き始める時季。

 

  • 鷹乃学習たかすなわちがくしゅうす(7月17日~21日頃)

鷹のひなが、巣立ちのときを迎える時季。

 

大暑たいしょ

  • 桐始結花きりはじめてはなをむすぶ(7月22日~27日頃)

桐の花が梢高く実を結び始める時季。

 

  • 土潤溽暑つちうるおうてむしあつし(7月28日~8月1日頃)

土がじっとりと熱気を帯び蒸し暑くなる時季。

 

  • 大雨時行たいうときどきふる(8月2日~6日頃)

時折、夕立などの激しい夏の雨が降る時季。

 

立秋りっしゅう

  • 涼風至すずかぜいたる(8月7日~11日頃)

涼しい風が吹き始める時季。

 

  • 寒蝉鳴ひぐらしなく(8月12日~16日頃)

夏の終わりを告げるかのようにひぐらしがカナカナと鳴き始める時季。

 

  • 蒙霧升降ふかききりまとう(8月17日~22日頃)

朝晩の冷え込みで深い霧が立ち込める時季。

 

処暑しょしょ

  • 綿柎開わたのはなしべひらく(8月23日~27日頃)

綿の実を包むがくが開く時季。

 

  • 天地始粛てんちはじめてさむし(8月28日~9月1日頃)

天地の暑さがようやく収まり始める時季。

 

  • 禾乃登こくものすなわちみのる(9月2日~6日頃)

田に稲穂がこぼれるように実り、熟してゆく時季。

 

白露はくろ

  • 草露白くさのつゆしろし(9月7日~11日頃)

草に降りた朝露が白く光って見える時季。

 

  • 鶺鴒鳴せきれいなく(9月12日~16日頃)
鶺鴒せきれいが鳴き始める時季。

 

  • 玄鳥去つばめさる(9月17日~21日頃)

燕が子育てを終え、越冬のため南へ旅立つ時季。

 

秋分しゅうぶん

  • 雷乃収声かみなりすなわちこえをおさむ(9月22日~27日頃)

夏の間、夕立を伴った雷がいよいよ収まる時季。

 

  • 蟄虫坏戸むしかくれてとをふさぐ(9月28日~10月2日頃)

虫たちが土にもぐり、冬じたくを始める時季。

 

  • 水始涸みずはじめてかるる(10月3日~7日頃)

収穫のため田んぼの水を抜き、稲刈りの準備をする時季。

 

寒露かんろ

  • 鴻雁来こうがんきたる(10月8日~12日頃)

雁が越冬のために北から渡ってくる時季。

 

  • 菊花開きくのはなひらく(10月13日~17日頃)

菊の花が咲き始める時季。

 

  • 蟋蟀在戸きりぎりすとにあり(10月18日~22日頃)

戸口で秋の虫たちが鳴き始める時季。

 

霜降そうこう

  • 霜始降しもはじめてふる(10月23日~27日頃)

作物の敵となる霜が降り始める時季。

 

  • 霎時施こさめときどきふる(10月28日~11月1日頃)

時雨が降ったり止んだりを繰り返す時季。

 

  • 楓蔦黄もみじつたきばむ(11月2日~6日頃)

楓や蔦の葉が色づき始める時季。

 

立冬りっとう

  • 山茶始開つばきはじめてひらく(11月7日~11日頃)

冬が立ち、山茶花さざんかの花が咲き始める時季。

 

  • 地始凍ちはじめてこおる(11月12日~16日頃)

地面が固く凍り、歩くと霜柱が心地良い音を鳴らす時季。

 

  • 金盞香きんせんかさく(11月17日~21日頃)

水仙が咲き、芳しい香りを放つ時季。

 

小雪しょうせつ

  • 虹蔵不見にじかくれてみえず(11月22日~26日頃)

陽が弱まり、空気が乾燥し、虹が見えにくくなる時季。

 

  • 朔風払葉きたかぜこのはをはらう(11月27日~12月1日頃)

木枯らしが木の葉を払い落とす時季。

 

  • 橘始黄たちばなはじめてきばむ(12月2日~6日頃)

橘の実が黄色く色づき始める時季。

 

大雪たいせつ

  • 閉塞成冬そらさむくふゆとなる(12月7日~11日頃)

天の気は上へ、地の気は下へ、重く垂れ込めた雲で天地の気が塞がれる時季。

 

  • 熊蟄穴くまあなにこもる(12月12日~15日頃)

熊が冬ごもりのために穴にこもる時季。

 

  • 鱖魚群さけのうおむらがる(12月16日~20日頃)

鮭が産卵のため群れをなして川を遡上する時季。

 

冬至とうじ

  • 乃東生なつかれくさしょうず(12月21日~25日頃)
夏枯草かごそうが芽を出す時季。

 

  • 麋角解さわしかのつのおつる(12月26日~30日頃)

繁殖期を終え、雄鹿の角が落ちる時季。

 

  • 雪下出麦ゆきわたりてむぎのびる(12月31日~1月4日頃)

降り積もる雪の下で麦が芽を出す時季。

 

小寒しょうかん

  • 芹乃栄せりすなわちさかう(1月5日~9日頃)

芹が盛んに群れをなして育つ時季。

 

  • 水泉動しみずあたたかをふくむ(1月10日~14日頃)

地中で凍っていた水が少しずつ動き始める時季。

 

  • 雉始雊きじはじめてなく(1月15日~19日頃)

雉が求愛のために鳴き始める時季。

 

大寒だいかん

  • 款冬華ふきのはなさく(1月20日~24日頃)

雪の下からふきのとうが顔を出す時季。

 

  • 水沢腹堅さわみずこおりつめる(1月25日~29日頃)

沢の水さえも凍ってしまう時季。

 

  • 鶏始乳にわとりはじめてとやにつく(1月30日~2月3日頃)

春の気配を感じ鶏が鳥屋に入って卵を産み始める時季

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