天照大御神の親、弟、子、孫、夫の話聞く?

 







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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」
天照大御神あまてらすおおみかみは、

言わずと知れた皇室の祖神であり、日本国民の総氏神そううじがみです。

そして、日本の神々の最高神でもあります。

 

古事記が学校教育からすっぽりと抜け落ちてしまい、自分たちの総氏神そううじがみについてさえ、学ぶ機会が失われてしまいました。

これは、非常に悲しいことであり、危機的なことだとも思っています。

 

天照大御神あまてらすおおみかみの親、弟、子、孫、夫を詳細に書いてゆくと、とてつもない量になりますので、

要点のみを書いてゆきます。

親と弟

親は、もちろん伊邪那岐神いざなきのかみです。

伊邪那岐神いざなきのかみは、伊邪那美神いざなみのかみとまぐわい、次々に、山の神、海の神、木の神、風の神といろいろな神様を誕生させていきます。

 

そして、火の神が誕生する際に、伊邪那美神いざなみのかみは、女陰じょいんを大火傷し、とこに臥せてしまいます。

 

伊邪那岐神いざなきのかみの懸命な看病も虚しく、

伊邪那美神いざなみのかみは、亡くなってしまい、死者の国黄泉国よみのくにへ・・・

 

伊邪那岐神いざなきのかみは、わんわん泣きながら、死の原因を招いた火の神の首を怒りに任せて切りつけます。

 

伊邪那美神いざなみのかみのことが忘れられない伊邪那岐神いざなきのかみは、黄泉国よみのくにまで迎えに行きます。

しかし、

伊邪那岐神いざなきのかみが、黄泉国よみのくにで見た伊邪那美神いざなみのかみの姿は、腐り果て、うじがわき、何体もの雷神が取り憑いたとても醜い姿でした。

そして、

その姿を見られた伊邪那美神いざなみのかみは、怒り狂います。

「見、見、見、見、見たな~」と。

 

伊邪那岐神いざなきのかみは、逃げ出しますが、すぐさま伊邪那美神いざなみのかみが追ってきます。

伊邪那岐神いざなきのかみは、黄泉国よみのくにの出口を巨大な岩で閉じて、難を逃れると、黄泉国よみのくにけがれを落とすためみそぎを行います。

 

水につかり、

左の目を洗うと、天照大御神あまてらすおおみかみ

右の目を洗うと、月読命つくよみのみこと

鼻を洗うと、須佐之男命すさのおのみこと

が成りました。

成る
いわゆる男女のまぐわいでの誕生ではない場合、この「成る」が使用される。

 

この3柱は、三貴子みはしらのうずのみこと呼ばれ、神様の中でも別格の扱いで、姉弟の関係です。

 

つまり、月読命つくよみのみこと須佐之男命すさのおのみことが弟になります。

 

話が少しそれますが、

それまで伊邪那岐神いざなきのかみ伊邪那美神いざなみのかみが、協力して様々な神を生んできたのに、最も貴いこの三貴子みはしらのうずのみこは、伊邪那岐神いざなきのかみのみから成ってしまうて・・・

えっ、伊邪那美神いざなみのかみの立場は?

という感じですが・・・

伊邪那岐神いざなきのかみから、

天照大御神あまてらすおおみかみは、「高天原たかまのはら(神々が住む天上世界)」、

月読命つくよみのみことは、「夜の世界」、

須佐之男命すさのおのみことは、「海原」、

をそれぞれ統治するよう命じられます。

 

しかし、末弟・須佐之男命すさのおのみことは、

「お母さん(伊邪那美神いざなみのかみ)に逢いたいよ~」と顎髭あごひげが胸に到達するまで泣き続け、伊邪那岐神いざなきのかみから任を解かれ追放されます。

 

ここで、疑問

須佐之男命すさのおのみことは、どうやら伊邪那美神いざなみのかみを母親と認識していることが判明します。

まぁ、この辺りは、正直謎なのですが、とりあえず須佐之男命すさのおのみこと自身は、そう認識しており、

姉弟ですから、天照大御神あまてらすおおみかみも同じ認識であると考えるのが自然かもしれません。

 

話を戻すと、

追放を言い渡された須佐之男命すさのおのみことは、姉・天照大御神あまてらすおおみかみに別れの挨拶をしに、高天原たかまのはらに参上します。

 

この動きを天照大御神あまてらすおおみかみは、

須佐之男命すさのおのみことが、邪心を持って高天原たかまのはらを奪いに来ると勘違いし、バリバリの戦闘態勢で須佐之男命すさのおのみことを迎えます。

 

須佐之男命すさのおのみことは、誤解を解くべく誓約うけいを提案します。

誓約うけい

あらかじめ定めた2つの事象のうちどちらが起こるかによって、吉凶を判断する。

 

例えば、

「明日のデートで晴れたらそのお相手は自分に相応しいので結婚しよう、
雨ならそのお相手は自分には相応しくないので別れよう。」

など。

 

こうした誓約うけいが、古事記には、頻繁に出て来ます。

ここでは、天照大御神あまてらすおおみかみ須佐之男命すさのおのみことで、それぞれ子を成らせ、

須佐之男命すさのおのみことの子が男なら邪心あり、女なら邪心なし

という誓約うけいです。

 

そこで、まず天照大御神あまてらすおおみかみが、

須佐之男命すさのおのみことが持っていた「十拳の剣とつかのつるぎ」を手に取り、三つ折りにして、水ですすぎ、それを口の中に入れて噛み砕き、勢いよく息を吐き出します。

すると、女神の

多紀理毘売命たきりひめのみこと

市寸嶋比売命いちきしまひめのみこと

多岐都比売命たきつひめのみこと

 

が成ります。

ややこしいですが、これは、須佐之男命すさのおのみことの持ち物から成ったので、須佐之男命すさのおのみことの子です。

次に、須佐之男命すさのおのみことが、

天照大御神あまてらすおおみかみ勾玉まがたまを手に取り口の中に入れて噛み砕き、勢いよく息を吐き出します。

すると、男神の

正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命まさかつあかつかちはやひあめのおしほみみのみこと

天之菩卑能命あめのほひのみこと

天津日子根命あまつひこねのみこと

活津日子根命いくつひこねのみこと

熊野久須毘命くまのくすびのみこと

 

が成ります。

 

この5柱が天照大御神あまてらすおおみかみの子です。

 

そして、誓約うけいの結果としては、

須佐之男命すさのおのみことの子は、女神でしたので、須佐之男命すさのおのみことに邪心はなかったという結論です。

上記5柱の子のうち、

正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命まさかつあかつかちはやひあめのおしほみみのみことの子である邇邇芸命ににぎのみことが孫に当たります。

 

天孫降臨をして、地上世界に降り立つのが、この邇邇芸命ににぎのみことであり、この系譜が今の皇室へと繋がってゆきます。

 

天照大御神あまてらすおおみかみの孫が、地上世界に降臨するから、「天孫降臨」ですね。

夫という存在は、いません。

 

ただ、上記5柱の子は、男女のまぐわいから生まれた子ではありませんが、

須佐之男命すさのおのみこととの共同作業で成ったことに大きな意味があるとも言えます。

 

天照大御神あまてらすおおみかみが自分の持ち物を口の中に入れて噛み砕き、勢いよく息を吐き出して、

子を成らしたのであれば、完全に天照大御神あまてらすおおみかみのみの血統となってしまいます。

 

しかし、

 

須佐之男命すさのおのみこと天照大御神あまてらすおおみかみの持ち物を噛み砕いて息を吐き、子を成らしていますから、

ここに、

2大最強遺伝子天照大御神あまてらすおおみかみ須佐之男命すさのおのみことの血統が出来上がる訳です。

 

そして、その血統が、今の皇室に繋がっているということです。

さいごに

詳細を省き、要点だけを書いてきましたが、まぁまぁな長さになってしましました。

簡単にまとめると、

 

天照大御神あまてらすおおみかみ

は、伊邪那岐神いざなきのかみ(解釈として、伊邪那美神いざなみのかみも)、

 

は、月読命つくよみのみこと須佐之男命すさのおのみこと

 

は、

正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命まさかつあかつかちはやひあめのおしほみみのみこと

天之菩卑能命あめのほひのみこと

天津日子根命あまつひこねのみこと

活津日子根命いくつひこねのみこと

熊野久須毘命くまのくすびのみこと

 

は、正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命まさかつあかつかちはやひあめのおしほみみのみことの子の邇邇芸命ににぎのみこと

 

は、いない。

(解釈として、子どもたちの父親は、須佐之男命すさのおのみこととすることも・・・そうなると須佐之男命すさのおのみことは、弟でもあり夫でもあるということに)

 

こんな感じになると思います。

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