天照大御神の親、弟、子、孫、夫の話聞く?

言わずと知れた皇室の祖神であり、日本国民の総氏神です。
そして、日本の神々の最高神でもあります。
古事記が学校教育からすっぽりと抜け落ちてしまい、自分たちの総氏神についてさえ、学ぶ機会が失われてしまいました。
これは、非常に悲しいことであり、危機的なことだとも思っています。
天照大御神の親、弟、子、孫、夫を詳細に書いてゆくと、とてつもない量になりますので、
要点のみを書いてゆきます。
親と弟
親は、もちろん、伊邪那岐神です。
伊邪那岐神は、伊邪那美神とまぐわい、次々に、山の神、海の神、木の神、風の神といろいろな神様を誕生させていきます。
そして、火の神が誕生する際に、伊邪那美神は、女陰を大火傷し、床に臥せてしまいます。
伊邪那岐神の懸命な看病も虚しく、
伊邪那美神は、亡くなってしまい、死者の国「黄泉国」へ・・・
伊邪那岐神は、わんわん泣きながら、死の原因を招いた火の神の首を怒りに任せて切りつけます。
伊邪那美神のことが忘れられない伊邪那岐神は、黄泉国まで迎えに行きます。
しかし、
伊邪那岐神が、黄泉国で見た伊邪那美神の姿は、腐り果て、蛆がわき、何体もの雷神が取り憑いたとても醜い姿でした。
そして、
その姿を見られた伊邪那美神は、怒り狂います。
「見、見、見、見、見たな~」と。
伊邪那岐神は、逃げ出しますが、すぐさま伊邪那美神が追ってきます。
伊邪那岐神は、黄泉国の出口を巨大な岩で閉じて、難を逃れると、黄泉国の穢れを落とすため禊を行います。
水につかり、
左の目を洗うと、天照大御神、
右の目を洗うと、月読命、
鼻を洗うと、須佐之男命
が成りました。
成る
いわゆる男女のまぐわいでの誕生ではない場合、この「成る」が使用される。
この3柱は、三貴子と呼ばれ、神様の中でも別格の扱いで、姉弟の関係です。
つまり、月読命と須佐之男命が弟になります。
話が少しそれますが、
それまで伊邪那岐神と伊邪那美神が、協力して様々な神を生んできたのに、最も貴いこの三貴子は、伊邪那岐神のみから成ってしまうて・・・
えっ、伊邪那美神の立場は?
という感じですが・・・
子
伊邪那岐神から、
天照大御神は、「高天原(神々が住む天上世界)」、 月読命は、「夜の世界」、 須佐之男命は、「海原」、をそれぞれ統治するよう命じられます。
しかし、末弟・須佐之男命は、
「お母さん(伊邪那美神)に逢いたいよ~」と顎髭が胸に到達するまで泣き続け、伊邪那岐神から任を解かれ追放されます。
ここで、疑問。
須佐之男命は、どうやら伊邪那美神を母親と認識していることが判明します。まぁ、この辺りは、正直謎なのですが、とりあえず須佐之男命自身は、そう認識しており、
姉弟ですから、天照大御神も同じ認識であると考えるのが自然かもしれません。
話を戻すと、
追放を言い渡された須佐之男命は、姉・天照大御神に別れの挨拶をしに、高天原に参上します。
この動きを天照大御神は、
須佐之男命が、邪心を持って高天原を奪いに来ると勘違いし、バリバリの戦闘態勢で須佐之男命を迎えます。須佐之男命は、誤解を解くべく誓約を提案します。
誓約
あらかじめ定めた2つの事象のうちどちらが起こるかによって、吉凶を判断する。
例えば、
「明日のデートで晴れたらそのお相手は自分に相応しいので結婚しよう、
雨ならそのお相手は自分には相応しくないので別れよう。」
など。
こうした誓約が、古事記には、頻繁に出て来ます。
ここでは、天照大御神と須佐之男命で、それぞれ子を成らせ、
「須佐之男命の子が男なら邪心あり、女なら邪心なし」
という誓約です。
そこで、まず天照大御神が、
須佐之男命が持っていた「十拳の剣」を手に取り、三つ折りにして、水ですすぎ、それを口の中に入れて噛み砕き、勢いよく息を吐き出します。すると、女神の
多紀理毘売命
市寸嶋比売命
多岐都比売命
が成ります。
ややこしいですが、これは、須佐之男命の持ち物から成ったので、須佐之男命の子です。
次に、須佐之男命が、
天照大御神の勾玉を手に取り口の中に入れて噛み砕き、勢いよく息を吐き出します。すると、男神の
正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命、
天之菩卑能命、
天津日子根命、
活津日子根命、
熊野久須毘命
が成ります。
この5柱が天照大御神の子です。
そして、誓約の結果としては、
須佐之男命の子は、女神でしたので、須佐之男命に邪心はなかったという結論です。孫
上記5柱の子のうち、
正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命の子である邇邇芸命が孫に当たります。
天孫降臨をして、地上世界に降り立つのが、この邇邇芸命であり、この系譜が今の皇室へと繋がってゆきます。
天照大御神の孫が、地上世界に降臨するから、「天孫降臨」ですね。
夫
夫という存在は、いません。
ただ、上記5柱の子は、男女のまぐわいから生まれた子ではありませんが、
須佐之男命との共同作業で成ったことに大きな意味があるとも言えます。
天照大御神が自分の持ち物を口の中に入れて噛み砕き、勢いよく息を吐き出して、
子を成らしたのであれば、完全に天照大御神のみの血統となってしまいます。
しかし、
須佐之男命が天照大御神の持ち物を噛み砕いて息を吐き、子を成らしていますから、
ここに、
2大最強遺伝子天照大御神と須佐之男命の血統が出来上がる訳です。
そして、その血統が、今の皇室に繋がっているということです。
さいごに
詳細を省き、要点だけを書いてきましたが、まぁまぁな長さになってしましました。
簡単にまとめると、
天照大御神の
親は、伊邪那岐神(解釈として、伊邪那美神も)、
弟は、月読命と須佐之男命、
子は、
正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命、 天之菩卑能命、 天津日子根命、 活津日子根命、 熊野久須毘命、
孫は、正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命の子の邇邇芸命、
夫は、いない。
(解釈として、子どもたちの父親は、須佐之男命とすることも・・・そうなると須佐之男命は、弟でもあり夫でもあるということに)
こんな感じになると思います。