伊勢物語-第四十九段 若草 2020-07-09 WRITER 雨野やたしげ この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 (原文) むかし、男、妹のいとをかしげなりけるを見をりて、 和歌(90) うら若みねよげに見ゆる若草を人の結ばむことをしぞ思ふ と聞こえけり。 返し、 和歌(91) 初草のなどめづらしき言の葉ぞうらなく物を思ひけるかな (現代訳) 昔、ある男が妹のたいそう美しい様子を見ていて、 和歌(90) 若々しくみずみずしいので、 共寝をしたくなる若草のように美しいあなたが他人の妻となることが本当に切なく惜しまれます。 と申し上げた。 妹の返し、 和歌(91) なんと思いも寄らないめずらしいお言葉でしょう。 わたしは、兄妹だと思って、今まで特別な気持ちを抱くことなく、思っておりましたのに。 異母の兄妹なのでしょうか。 その辺の詳細は、分からないが、 当時の風習を鑑みれば、同母の兄妹であったとしても、 現代ほど顔を合わせる機会はなく、しばらく逢っていなかった妹に異性としての魅力を感じてしまうことも・・・ いずれにせよ、兄の気持ちに反して妹にはそういった気持ちはないようです。 この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 前の記事 -Prev- 伊勢物語-第四十八段 人待たむ里 次の記事 -Next- 伊勢物語-第五十段 鳥の子 関連記事 - Related Posts - 伊勢物語-第十五段 しのぶ山 伊勢物語-第五十九段 東山 伊勢物語-第七十一段 神のいがき 伊勢物語-第五段 中空に(伝 為氏本) 最新記事 - New Posts - 伊勢物語 あとがき 伊勢物語-第十八段 あきの夜も(伝 為氏本) 伊勢物語-第十七段 夢と知りせば(伝 為氏本) 伊勢物語-第十六段 太刀のをがはの(伝 為氏本)