伊勢物語-第八十八段 月をもめでじ

 
伊勢物語







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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」

(原文)

むかし、いと若きにはあらぬ、これかれ友だちども集まりて、月を見て、それがなかに一人、

和歌(162)

おほかたは月をもめでじこれぞこのつもれば人の老いとなるもの

 

(現代訳)

昔、とても若いというほどではない友人たちが誰彼と集まって、月を見て、その中の一人が詠んだ。

和歌(162)

よほどのことでなければ、月を愛でずにゆこうと思う。夜の月がつもり重なれば、歳を取り老いてゆくのだから。

もう我々もそこまで若くはない…

 

若い頃は、美しいと愛でた月も冷静に考えれば、見る回数を重ねてゆけば、それは自らが老いるということ。

そんな感じでしょうか。

 

月を老いと結び付けた面白い歌。

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