伊勢物語-第七十段 あまの釣船

 
伊勢物語







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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」

(原文)

むかし、男狩の使よりかへり来けるに、大淀のわたりに宿りて、斎宮さいぐうのわらはべにいひかけける。

和歌(129)

みるめ刈るかたやいづこぞ棹さしてわれに教えよあまのつり船

 

(現代訳)

昔、男が狩の使から帰って来た時、大淀の入江の渡し場に泊まって、斎宮さいぐうにご奉仕する童に次の歌を詠みかけた。

和歌(129)

海藻の海松布みるめを刈る入江は、どのあたりであろうか。棹を海にさして、ここだと私に教えてください。

海人の釣り船よ。

  • 大淀
斎宮さいぐうが都から伊勢神宮へ向かうときに、はらえを済ませる入江。

 

前の第六十九段を受けての続き。

 

大淀の入江が斎宮さいぐうが、通る場所だと当然認識した上での、業平の想い。

 

あの人は、ここの場所を通ったのであろうか…そうしたちょっとした想いから感情が爆発することは現代人でもあるのかと…

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