伊勢物語-第七十三段 月のうちの桂

 
伊勢物語







この記事を書いている人 - WRITER -
フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」

(原文)

むかし、そこにはありと聞けど、消息せうそこをだにいふべくもあらぬ女のあたりを思ひける。

 

和歌(133)

目には見て手にはとられぬ月のうちの桂のごとき君にぞありける

 

(現代訳)

昔、その場所にいるとは聞いてはいるが、便りさえも送ることができない女のことを思って、男が詠んだ。

 

和歌(133)

目では見えるが、実際に手には取れない月の中の桂のような貴女ですね

  • 和歌(133)

「万葉集」の巻四・相聞歌の中の

「目には見て手には取らえぬ月の内の桂のごとき妹をいかにせむ」

の類歌。

 

 

居所は分かっているのだが、便りなどは送ることができない女…まず考えられるのが、清和天皇の后高子たかいこ

しかし、六十九段の流れから鑑みると、斎宮さいぐうと考えるのが、自然なのかも。

この記事を書いている人 - WRITER -
フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」




Copyright© 深夜営業ジャパノロジ堂 , 2021 All Rights Reserved.