女系天皇、女性天皇、女性宮家の違いを理解できてますか?
先日、高円宮家の三女・絢子さまがご婚約をなさいました。
良い機会なので、女系天皇、女性天皇、女性宮家に関する記事を書きたいと思います。
すべて皇族の女性についてのことですが、全然意味合いが異なるものです。
天皇たらしめているもの
第1条 皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。
男系とは、父方を辿っていけば、初代・神武天皇に辿り着くということです。
この男系の血筋であることが、天皇になる原理原則です。
日本は、この男系の万世一系を2000年以上続けている世界で唯一の国家です。
女性天皇と女性宮家は、女系天皇へとつながる
女性天皇
皇室典範・第1条があるので、現代では、女性の愛子さまが天皇に即位することはないですが、例えば、愛子さまが即位した場合、
これが、女性天皇です。
ご存じのように、一時的な中継ぎとはいえ、過去には8人の女性天皇が即位したことがあります。
しかし、そのすべては、男系の女性天皇です。
愛子さまが即位した場合、父方を辿って行けば、初代・神武天皇まで辿り着きますので、男系の女性天皇です。
女性宮家
例えば、愛子さまが一般人男性の「田中さん」と結婚をしました。
本来であれば、
第12条 皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる。
に従って、民間人となり皇籍を離脱するところを皇室にとどまっていただき家族を形成します。
これが、女性宮家です。
そして、その後「田中ジュニア」くんが生まれました。
厳密に言うと、女性宮家が認められると、愛子さまと結婚した田中さんは、愛子さまを当主とする女性宮家に入り苗字を失い、皇族になります。
なので「田中」の苗字は、消滅するのですが、男系の血筋を示すために、あえて「田中ジュニア」としています。
女性宮家が認められるようになると、ご婚約した高円宮家の三女・絢子さまも皇室にとどまって、宮家をつくることができ、
眞子さまも、仮に小室圭さんと結婚しても、皇室にとどまって、宮家をつくることが可能となります。
女系天皇
ぎりぎり女性天皇、女性宮家までは、それ自体が国体の破壊にはなりませんが、
女性宮家の子どもが男子であろうが、女子であろうが即位したとき、その子どもは、女系天皇となります。
下図の例で言えば、田中ジュニアくんが即位すると女系天皇の誕生です。
田中ジュニアくんは、女系の男性天皇ということになります。
男系は、父方を辿って行けば、初代・神武天皇に行き着くということでした。
そして、この男系であることが、天皇になる原理原則でした。
しかし、
天皇の田中ジュニアくんの父方をどれだけ辿って行こうとも、神武天皇には行き着きません。
皇族の血筋に行こうと思えば、母親(この場合、愛子さま)を辿らなければいけません。
これが、女系です。
この時点で、2000年以上続けて来た万世一系が終わります。
つまり・・・
第1条 皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。
とありますが、これを男系の女子(例えば、愛子さま)も即位できるようにし、
第12条 皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる。
とありますが、結婚後も皇室にとどまれるようにし、女性宮家をつくる。
そして、
その子どもが即位して、女系天皇になる。
この一連の流れは、2000年以上維持した万世一系の国体を破壊するものであるにもかかわらず、男系男子しか天皇になれないのは、女性差別であるとか・・・
フェミニスト、土俵の女人禁制などと同じレベルで議論されています。
この国体を破壊する一連の流れの実現は、小泉政権、野田政権下で具体的に進められ、採決には至りませんでしたが、彼らは、決して諦めた訳ではありません。
男子不足
フェアに話すと、確かに今の皇族には、男子が少なく、男系男子にこだわっていては、皇族の維持自体が危ぶまれているのは、事実であり、
女性天皇、女性宮家、女系天皇を認めようとする動きは、その対策の1つとも言えます。
しかし、女系天皇を認めたときの、例えば、「田中王朝」を日本国の君主や象徴として認められますか?
ということです。
あくまで個人的意見として、これは認める認めないというより、天つ神の意思とは異なるため象徴にはなり得ないと思っています。
参考:「天皇」とは何者であり、日本国の「象徴」となり得る根拠は何か?
対策
1.旧宮家の復帰
戦前、14もあった宮家は、昭和天皇の弟にあたる3つの宮家(秩父宮、高松宮、三笠宮)だけを残して、GHQによって皇籍の離脱が行われ、民間に戻されました。
引用元:宮内庁
http://www.kunaicho.go.jp/about/kosei/koseizu.html
GHQによって皇籍を離脱させられた旧宮家の方々に皇族に戻っていただく。
もちろん強制などではなく・・・理解いただき同意のもと。
旧宮家の方々は、当然、みなさん父方を辿れば初代・神武天皇に行き着く男系であり、その男子は、皇位を継承することができます。
アメリカの統治は、とっくに終わり、日本は独立した民主国家ですから、GHQによる負の遺産は、そろそろ自分たちで改めなければいけないはずです。
伏見宮、 閑院宮、 山階宮、 北白川宮、 梨本宮、 久邇宮、 賀陽宮、 東伏見宮、 竹田宮、 朝香宮、 東久邇宮
これらの旧宮家の方々に戻っていただければ、大きくリスクを低減することができますが、こうした対策よりも先に、2000年以上先人たちが回避してきた「女系天皇」を進める意味がまったく理解できません。
2.皇室の女性が旧宮家の男子を養子にお迎えする
これは、文字通りそのままで、旧宮家は、みなさん男系ですので、その男子を養子にすることで、皇位を継承することができるため、血統が途絶えるリスクが軽減されます。
3.側室制度の復活
これは、現代では、非現実的ですが、戦前14あった宮家が3つになり、さらに明治以前にはあった側室制度もないのであれば、当然、男子の絶対数が減少し、皇室の維持のリスクが増大して当たり前です。
1つの対策でしょうが、時代には則していません。
皇室典範の改正
皇室典範は、法律です。
要は、国会で改正できるということ。
先人たちが、2000年以上続けてきた万世一系を万策尽きる前に諦めて、皇室典範を「女系天皇」可能に改めるのではなく、
上記の1や2を可能にする改正をするのが、まずやるべきだと強く思います。
まとめ
血筋というのは、自らどうしようもないものです。
日本人は、古代から皇室に対して、畏敬の念を抱いてきました。
一方、この血筋というものは、差別も招きます。
この血筋に執着し過ぎると、
「平家にあらずんば人にあらず」といった、発言につながるし、
現代社会では、ただ息子というだけの2代目ボンクラ社長が会社を傾けたりします。
ただ、一般社会と皇室の万世一系は、あまりにも次元が違います。
女系天皇推進派は、皇室の持続ができないよりは、女系でも継続した方が良いといった意見が多いですが、
皇室は、連綿と万世一系で来ているからこそ、古代から日本人は、畏敬の念を抱くのであって、昨今できたばかりの名ばかりの「田中王朝」にどこの日本人が畏敬の念を抱くのか・・・
主従関係が、明らかにおかしく、これは憲法論議にも言えて、平和憲法を守り抜けるなら国が滅んでも良いという理論とよく似ています。
健康のためなら死んでもいい的な・・・笑
あくまで、今回書いてきたことは、個人的な解釈と考えです。
是非、女系天皇、女性天皇、女性宮家の違いを理解した上で、自分なりの解釈と考えを持つきっかけにして頂けたらと思います。
余談
この手の話になると、初代神武天皇をさらに遡れば、天照大御神に行き着くのだから、男系ではないという意見を言われることがあります。
男系の万世一系は、本来、初代神武天皇までの男系を指すものであると思いますが・・・
あえて、神武天皇から先に遡っても男系は、維持されているという解釈も可能です。
個人の解釈の差があると思いますが・・・
神武天皇からさらに遡って行くと、
天照大御神
↑
天之忍穂耳命
↑
邇邇芸命
↑
火遠理命
↑
鵜草葺不合命
↑
神武天皇
となります。
天照大御神が天之忍穂耳命を生んだ経緯は、誓約です。
例えば、
「デートの約束をして、晴れたらそのお相手は自分に相応しいので結婚しよう、雨ならそのお相手は自分には相応しくないので別れよう。」
とあらかじめマイルールで定め、吉凶を判断する。
この誓約で、天照大御神が着けていた勾玉を須佐之男命が噛み砕き、霧の息を吐くとその中に天之忍穂耳命が成ります。
つまり、天之忍穂耳命は、生物学的な性交渉の末に生まれた子ではないということ。
勾玉は、天照大御神の持ち物だから、須佐之男命が吐いた霧から生まれたとしても、天之忍穂耳命は、天照大御神の子であるという・・・
分かったような分からない解釈がされています・・・笑
これを、須佐之男命と天照大御神の2人の共同作業とみなすと、
天之忍穂耳命は、須佐之男命と天照大御神の子と解釈できます。
そうすると、天之忍穂耳命の父親は、須佐之男命です。
そして、須佐之男命の父親は、伊邪那岐神です。
伊邪那岐神は、自然発生的に成った神なので、これ以上は、遡ることはできません。
よって、日本列島を作った始まりの伊邪那岐神まで男系で通すことができます。
伊邪那岐神
↑
須佐之男命
↑
天之忍穂耳命
↑
邇邇芸命
↑
火遠理命
↑
鵜草葺不合命
↑
神武天皇
あくまで、万世一系は、初代・神武天皇までです。