日の本の屋根裏から日本を考える

古事記を読む(132)中つ巻-初代・神武天皇

 







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雨野やたしげ
フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰を強く願う「自分たちの神話を学ばない民族に未来はない」。

久米歌

また続けて、次の歌をお詠みになりました。

和歌(13)

みつみつし 久米の子等が 垣下に 植ゑし椒 口ひひく 吾は忘れじ 撃ちてし止まむ

(久米の兵士たちが、垣根に植えた山椒さんしょうの実は、口が痺れるほどからい。われわれも、敵から受けたその痛みは忘れない。敵を打ち倒さずにおくものか。)

 

さらに、続けて、次の歌をお詠みになりました。

和歌(14)

神風の 伊勢の海の 生石に 這ひもとほろふ 細螺の い這ひもとほり 撃ちてし止まむ

(伊勢の海の大きな石に這い回る巻貝のように敵の周りを這い回り、敵を打ち倒さずにおくものか。)

 

また、兄師木えしき弟師木おとしきを撃ったとき、兵士達は、疲れきってしまい、そこで次の歌をお詠みになりました。

和歌(15)

楯並めて 伊那佐の山の 木の間よも い行きまもらひ 戦へば 吾はや飢ぬ 島つ鳥 鵜養が伴 今助けに来ね

伊那佐いなさの山の木々の間を進みながら、戦ったので、空腹だ。
鵜飼うかいたちは、今すぐに助けに来てくれ。)

 

邇芸速日命にぎはやひのみことが現れて、神倭伊波礼毘古命かむやまといわれびこのみことに、

「天つ神の御子が天降りをされたと聞きましたので、わたしも降って来ました」

と言い、

天神瑞あまつしるし神倭伊波礼毘古命かむやまといわれびこのみことに献上しました。

その後、邇芸速日命にぎはやひのみこと登美毘古とみびこの妹の登美夜毘売とみやびめめとり、生まれた子が宇麻志麻遅命うましまじのみことです。

宇麻志麻遅命うましまじのみことは、物部連もののべのむらじ穂積臣ほずみのおみ婇臣うねのおみの祖です。

 

神倭伊波礼毘古命かむやまといわれびこのみことは、

このようにして荒ぶる神々を説得して平定し、

従わざる者を追い払い、

畝火うねび(奈良県橿原市の畝傍山うねびやま)の白祷原宮かしはらのみやで天下をお治めになりました。

天神瑞あまつしるし天つ神の御子である印。

 

紛らわしいですが、兄師木えしき弟師木おとしきは、先に出て来た兄宇迦斯えうかし弟宇迦斯おとうかしとは、別人です。

ここで、長い東征を終え、神倭伊波礼毘古命かむやまといわれびこのみことが、初代天皇として即位いたしました。

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