古事記を読む(101)上つ巻-日向三代

 







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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」

木花之佐久夜毘売このはなさくやひめ

邇邇芸命ににぎのみことは、木花之佐久夜毘売このはなさくやひめに、

「わたしは、あなたと結婚したいと思うが、どうだろうか」

とお尋ねになりました。

これに対して、木花之佐久夜毘売このはなさくやひめは、

「わたしからはお答えできません。父の大山津見神おおやまづみのかみがお答えいたします」

とお答えになりました。

 

邇邇芸命ににぎのみことが、大山津見神おおやまづみのかみのもとへ使いを派遣すると、大山津見神おおやまづみのかみは、大層喜びになり、木花之佐久夜毘売このはなさくやひめに、姉の石長比売いわながひめも添えて、たくさんの嫁入り道具を持たせて、邇邇芸命ににぎのみことのもとへ送り出しました。

しかし、姉の石長比売いわながひめの容姿は、ひどく醜いものであったので、邇邇芸命ににぎのみことは、その容姿に驚き恐れて、姉の石長比売いわながひめだけを送り返してしまいました。

そして、邇邇芸命ににぎのみことは、妹の木花之佐久夜毘売このはなさくやひめだけを自らのもとに留めて、一晩の契りを結びました。

この結婚は、双方に利があり、大山津見神おおやまづみのかみは、天つ神あまつかみの御子に自分の子どもを嫁入りさせるのですから、言うまでもありませんが、邇邇芸命ににぎのみこと側も木花之佐久夜毘売このはなさくやひめの容姿の美しさは、もちろんのこと、その父親が山の神ですから、大きな利があっての結婚であったはずです。

国譲りがなされ、邇邇芸命ににぎのみことは、正当な統治者ではありますが、実質的な統治にはこの後3代を費やします。

こうして、徐々に足場を固めて行ったというイメージでしょうか。

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