古事記を読む(102)上つ巻-日向三代
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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。
日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。
古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」
木花之佐久夜毘売
大山津見神は、姉の
石長比売のみが送り返されてきたので、大層これに恥じ、使者をたて、
「わたしが娘を2人一緒に送り出したのは、石長比売が仕えれば、天つ神のご子孫の命は、雪が降り風が吹こうとも、久しく岩のごとく永遠に固く動かないものになるでしょう。また、木花之佐久夜毘売が仕えれば、天つ神のご子孫は、木の花が咲くように繁栄するでしょう。
そう誓約をしたのです。しかしながら、石長比売を送り返し、木花之佐久夜毘売のみをお留めになったことで、天つ神のご子孫の寿命は、木の花が散るように儚いものとなるでしょう」
と申し上げました。
このため、今に及ぶまで天皇の御寿命は長くはないのです。
わたしが娘を2人一緒に送り出したのは、石長比売が仕えれば、天つ神のご子孫の命は、雪が降り風が吹こうとも、久しく岩のごとく永遠に固く動かないものになるでしょう。また、木花之佐久夜毘売が仕えれば、天つ神のご子孫は、木の花が咲くように繁栄するでしょう:義理の父の後付けの愚痴のような気もしますが・・・これも歴とした誓約であり、もはや呪いです。
古代は、確かに姉妹同時に同じところに嫁に出すというのは、珍しいことではありませんでしたが、一方だけを送り返すというのは、あまりにも、あまりにも。
いずれにせよ、本来寿命が無かった天つ神とその子孫にも寿命が出来たという話です。
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