古事記を読む(162)中つ巻-第11代・垂仁天皇

 




この記事を書いている人 - WRITER -
雨野やたしげ
フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰を強く願う「自分たちの神話を学ばない民族に未来はない」。

沙本毘古さほびこ沙本毘売さほびめの兄妹

垂仁すいにん天皇は、沙本毘売さほびめを后としました。

すると、沙本毘売さほびめの兄である沙本毘古さほびこは、妹に

「夫である垂仁すいにん天皇と兄であるわたしとどちらが愛しいのか」

と問いました。

 

これに対して、妹の沙本毘売さほびめは、

「お兄さんを愛しく思います」

と答えました。

 

沙本毘古さほびこは、

「おまえが本当に兄であるわたしを愛しているならば、おまえとわたしで天下を治めよう」

と言いました。

 

そして、何度も繰り返し鍛えた小刀を妹に授け、

「この小刀で垂仁すいにん天皇が寝ているところを刺し殺してしまえ」

と言いました。

 

垂仁すいにん天皇は、そのようなくわだても知らず、沙本毘売さほびめの膝を枕にしてお休みになっていました。

 

沙本毘売さほびめは、その小刀で垂仁すいにん天皇の首を刺そうとして三度みたび振り上げましたが、哀しみのあまり刺すことが出来ず、涙を流し、その涙が垂仁すいにん天皇の顔を濡らしました。

しばらく退屈な展開が続いていましたが、ようやく物語として面白い展開になってきました。

上つ巻は、神々のファンタジーでしたが、中つ巻、下つ巻と下っていくほど、人間のドロドロした話が続いて行きます。

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