古事記を読む(254)下つ巻-第23代・顕宗天皇 2019-05-25 WRITER 雨野やたしげ この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 市辺忍歯王いちのべのおしはのみこの御骨みかばね 伊弉本別王いざほわけのみこ(履中天皇)の子の市辺忍歯別王いちのへのおしはわけのみこの子である袁祁石巣別命をけのいわすわけのみことは、近飛鳥宮ちかつあすかのみやで8年の間、天下を統治なさいました。 天皇は、石木王いわきのみこの娘の難波王なにわのみこと結婚しましたが、子はありませんでした。 この顕宗けんぞう天皇が、父王ちちみこの市辺王いちのへのみこの御骨みかばねをお探しになったとき、淡海国おうみのくにに住む卑しい老媼おみなが参上して、 「王子みこ(市辺王いちのへのみこ)の御骨みかばねを埋めたところをわたしは、よく知っております。また、その御骨みかばねの御歯みはを見れば判別できます」 と申し上げました。 市辺王いちのへのみこの御歯みはは、1つの根が3つに分かれたような押歯おしば(八重歯)でした。 そこで、人を集めて土を掘り、その御骨みかばねを探し求めると、御骨みかばねが見つかり、蚊屋野かやのの東の山に御陵を作って葬り、韓袋からふくろの子らにその御陵を守らせました。 そうした後、その御骨みかばねをお持ちになり、河内にお戻りになりました。 顕宗けんぞう天皇の父である市辺王いちのへのみこは、雄略ゆうりゃく天皇と一緒に狩りに行く道中、雄略ゆうりゃく天皇に殺害されました。 そして、飼葉桶かいばおけに入れられて、地面の高さと同じ高さで埋められるという、極めて雑な扱いで葬られました。 参考:古事記を読む(239)下つ巻-第20代・安康天皇 そして、権力を持った顕宗けんぞう天皇の復讐が始まります。 この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 前の記事 -Prev- 古事記を読む(253)下つ巻-第22代・清寧天皇 次の記事 -Next- 古事記を読む(255)下つ巻-第23代・顕宗天皇 関連記事 - Related Posts - 古事記を読む(206)中つ巻-第15代・応神天皇 古事記を読む(20)上つ巻-伊邪那岐神と伊邪那美神 古事記を読む(91)上つ巻-国譲り 古事記を読む(35)上つ巻-天照大御神と須佐之男命 最新記事 - New Posts - 伊勢物語 あとがき 伊勢物語-第十八段 あきの夜も(伝 為氏本) 伊勢物語-第十七段 夢と知りせば(伝 為氏本) 伊勢物語-第十六段 太刀のをがはの(伝 為氏本)