古事記を読む(173)中つ巻-第11代・垂仁天皇 2018-11-29 WRITER 雨野やたしげ 1 この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 常世国とこよのくにの木の実 垂仁すいにん天皇は、三宅連みやけのむらじの祖の多遅摩毛理たじまもりを常世国とこよのくにに派遣して、非時香木実ときじくのかくのこのみを探させました。 多遅摩毛理たじまもりは、常世国とこよのくにに着くと、その木の実を採り、持ち帰りましたが、垂仁すいにん天皇は、すでに崩御されていました。 多遅摩毛理たじまもりは、半分に分けて大后おおきさきに献上し、残りの半分を垂仁すいにん天皇の御陵の入り口に供え、木の実を捧げて、大声で泣き叫びました。 「常世国とこよのくにの非時香木実ときじくのかくのこのみを持って参上しました」 多遅摩毛理たじまもりは、このように泣き叫びながら死んでしまいました。 その非時香木実ときじくのかくのこのみとは今の「橘たちばな」です。 垂仁すいにん天皇の御寿命は、153歳です。 御陵は、菅原の御立野みたちのの中にあります。 大后おおきさきの比婆須比売命ひばすひめのみことは、石棺を作る部民を定めました。 また、埴輪や土器を作る土師部はにしべを定めました。 比婆須比売命ひばすひめのみことは、狭木さきの寺間陵に葬られました。 非時香木実ときじくのかくのこのみ:香りの良い木の実。 橘たちばな:柑橘類の総称。 これで、垂仁すいにん天皇の章は終わりです。 この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 前の記事 -Prev- 古事記を読む(172)中つ巻-第11代・垂仁天皇 次の記事 -Next- 古事記を読む(174)中つ巻-第12代・景行天皇 関連記事 - Related Posts - 古事記を読む(28)上つ巻-天照大御神と須佐之男命 古事記を読む(36)上つ巻-天照大御神と須佐之男命 古事記を読む(234)下つ巻-第19代・允恭天皇 古事記を読む(256)下つ巻-第23代・顕宗天皇 最新記事 - New Posts - 伊勢物語 あとがき 伊勢物語-第十八段 あきの夜も(伝 為氏本) 伊勢物語-第十七段 夢と知りせば(伝 為氏本) 伊勢物語-第十六段 太刀のをがはの(伝 為氏本)