古事記を読む(176)中つ巻-第12代・景行天皇

 







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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」

大碓命おおうすのみこと小碓命おうすのみこと

景行けいこう天皇は、美濃国造の祖である大根王おおねのみこの娘の兄比売えひめ弟比売おとひめという、それは大層美しい姉妹の少女がいるとお聞きになり、息子の大碓命おおうすのみことを遣わして、2人の少女らを連れくるように命じました。

 

しかし、これに対して、大碓命おおうすのみことは、その姉妹をを父である景行けいこう天皇のもとに連れて行かず、自分がその姉妹と結婚してしまいました。

そして、景行けいこう天皇のもとには、別の少女らを連れて行きました。

 

しかし、景行けいこう天皇は、その少女らが兄比売えひめ弟比売おとひめではない別の少女だということを知り、結婚することもせず、共に寝ることもせず、物思いにふけるばかりで、その少女らを悩ませました。

 

その大碓命おおうすのみことが、兄比売えひめと結婚して生まれた子が、

押黒之兄日子王おしぐろのえひこのみこです。

押黒之兄日子王おしぐろのえひこのみこは、美濃の宇泥須和気うねすわけの祖です。

 

大碓命おおうすのみこと弟比売おとひめと結婚して生まれた子が、

押黒弟日子王おしぐろのおとひこのみこです。

押黒弟日子王おしぐろのおとひこのみこは、牟宜都君むげつのきみらの祖です。

 

この景行けいこう天皇の御世では、田部たべを定めました。

また、東国の淡水門あわのみなとを開き、かしわで(料理を作る人)の大伴部おおともべを定めました。

また、倭屯家やまとのみやけを定め、坂手池さかてのいけを作り、竹をその周囲に植えました。

田部たべ朝廷の田を耕作する部民べのたみ

 

景行けいこう天皇は、相変わらず精力旺盛です。

こういった息子が親が求めた女性を横取りしてしまう話は割と出てきます。

一夫多妻制ならではの話です。

絶世の美女といわれた兄比売えひめ弟比売おとひめでしたが、大碓命おおうすのみことが連れてきた少女らが、そこまで美人ではなかったためなのかは分かりませんが、いずれにせよ、景行けいこう天皇は、息子に兄比売えひめ弟比売おとひめを横取りされたことに気付きます。

これに激怒するのもなんだか恥ずかしい・・・必死さが透けて見えるようで・・・

そういう訳か分かりませんが、この件に関しては、景行けいこう天皇は、穏便に済ませます。

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