古事記を読む(201)中つ巻-第14代・仲哀天皇

 







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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」

酒楽さかくらの歌

太子が大和に帰ってくると、母親の息長帯比売命おきながたらしひめのみこと神功じんぐう皇后)は、待ち酒を用意していました。

 

そして、息長帯比売命おきながたらしひめのみことは、次の歌をお詠みになりました。

和歌(34)

この御酒は 我が御酒ならず くしかみ 常世に坐す 石立たす 少名御神すくなみかみの 神寿き 寿き狂ほし 豊寿き 寿き廻ほし 献り来し御酒ぞ 止さず飲せ ささ

(この御酒は、わたしの御酒ではありません。

酒を司る常世の国においでになり、岩の姿でお立ちになる少名御神すくなみかみが祝福し、踊り狂い 祝福して踊り回りって醸した御酒です。

どうぞ、飲み干してください。さぁ。)

 

このようにお詠みになり、御酒を太子に差し上げました。

 

そこで、建内宿禰たけうちのすくねが、太子のために次の歌を詠みました。

和歌(35)

この御酒を 醸みけむ人は その鼓 臼に立てて 歌ひつつ 醸みけれかも 舞ひつつ 醸みけれかも この御酒の 御酒の あやに うた楽し ささ

(この御酒を醸した人は、その鼓を臼のように立てて、歌いながら御酒を醸したからか、踊りながら醸したからか、この御酒は、この御酒は、なんとも愉快な酒だ。さぁ。)

 

これは酒楽さかくらの歌です。

 

帯中津日子命たらしなかつひこのみことの御寿命は、52歳です。

御陵は、河内の恵賀えがの長江にあります。

 

また、神功じんぐう皇后の御寿命は、100歳です。

楯列たたなみの御陵に埋葬されました。

少名御神すくなみかみ少名毘古那神すくなびこなのかみのこと。大国主神おおくにぬしのかみと日本の国を作りました。

 

古代、酒は、米を噛み唾液の中に含まれる酵素で分解して酒を造りました。
いわゆる「口噛み酒」です。

その米を噛む役目を担ったのがけがれなき巫女でした。

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