古事記を読む(23)上つ巻-天照大御神と須佐之男命
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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。
日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。
古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」
誓約
追放された須佐之男命は、
「こうなってしまったからには、天照大御神に理由を説明してから根之堅洲国へ行くことにしよう」
と言って、
高天原に参り上がるとき、山や川が揺れ動きました。
その異様な音を聞いた天照大御神は、驚き、
「弟が高天原に上ってくる理由は、善良な心からではない。たくらみがありこの高天原を奪おうと思っているに違いない。」
と仰せになり、
髪を解き、戦いやすいように男性がする髪型である角髪に結い替え、

髪と左右の手に勾玉を多数巻き付け、
背には1000本の矢が入った矢入れを背負い、脇には500本の矢が入った矢入れを付け、鞆を装着し、弓を振り上げて、堅い地面に股まで踏み入れ、地面を雪のように蹴散らして、威勢雄々しく、弟である須佐之男命を待ち受けました。
誓約:あらかじめ定めた2つの事象のうちのどちらが起こるかによって、吉凶を判断する。
例えば、
「デートの約束をして、晴れたらそのお相手は自分に相応しいので結婚しよう、雨ならそのお相手は自分には相応しくないので別れよう。」
とあらかじめマイルールで定め、吉凶を判断する。
古事記では、この後誓約がたくさん出てきます。
天照大御神は、凄い迫力で
須佐之男命を待ち受けますが、
須佐之男命にそんな気はなく、
これは完全に天照大御神の早とちりの勘違いです。
高天原の統治者である
天照大御神でさえも勘違いをするということです。
神社でお願いをする際は、神様も全知全能ではなく勘違いをすることがあり得るということを認識し、明瞭かつシンプルにお願い事をする方が良いかもしれません。
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