古事記を読む(204)中つ巻-第15代・応神天皇
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日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。
古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」
三皇子の分掌
応神天皇は、
大山守命と
大雀命に、
「おまえ達は、年上の子と年下の子と、どちらが愛しく思うか」
とお尋ねになりました。
応神天皇が、このようなことをお尋ねになるのは、
年下である守遅能和紀郎子に天下を統治させたいというお気持ちがあったからです。
これに対して、
大山守命は、
「年上の子が愛しいです」
とお答えになりました。
大雀命は、
「年上の子は、すでに大人となっており心配することはありませんが、年下の子は、まだ子どもで大人にはなっていないので、愛しいです」
とお答えになりました。
応神天皇は、
大雀命に、
「雀よ、おまえの言ったことは、わたしの考えと同じだ」
と仰せになり、
「大山守命は、山と海の政をしなさい。
大雀命は、国を統治しなさい。
守遅能和紀郎子は、皇位を引き継ぐため太子を名乗りなさい」
と命じられました。
そして、
大雀命は、この
応神天皇の命に従いました。
一体、応神天皇は、何が聞きたいのか・・・
この頃日本は、末っ子が皇位を継ぐことが基本路線でした。
今の日本の感覚から考えると違和感がありますが、年長者から順に家を出て行き、最後に残った末っ子が家を継ぐという流れ。
元々、応神天皇自体が、年下である守遅能和紀郎子を次の統治者にしようと考えていて、それは、今までの慣例通りで既定路線なのに改めての確認。
そして、正しい(応神天皇の考えやそのときの社会の主流)答えをした大雀命は、のちに仁徳天皇に。
間違った答えをした大山守命は、のちに反逆を起こします。
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