古事記を読む(35)上つ巻-天照大御神と須佐之男命

 







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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」

天の石屋戸あめのいわやと

天照大御神あまてらすおおみかみは、この様子を不思議にお思いになり、天の石屋戸あめのいわやとを少しだけ開けて、中から覗いてお尋ねになりました。

「わたしが洞窟の中に隠れているから、高天原たかまのはらは自然と闇になり、葦原中国あしはらのなかつくにも闇となったはずなのに、天宇受売命あめのうずめのみことは舞い踊り、八百万やおよろずの神は笑っている、これは一体どうしてだろうか?」

と仰せになりました。

 

それに対して天宇受売命あめのうずめのみことは、

「あなたよりも貴い神がいらっしゃっいましたので、我々は、喜び、笑い、舞い踊っているのです」

と答えました。

この天宇受売命あめのうずめのみことの答えは、嘘であり、すべて思金神おもいかねのかみが考えたシナリオ通りです。

天照大御神あまてらすおおみかみは、最高神といえ女神です。

天照大御神あまてらすおおみかみが開け閉めできる天の石屋戸あめのいわやとくらい屈強な男神なら無理矢理に開けることくらい容易なはずです。

しかし、天の石屋戸あめのいわやとは恐らく天照大御神あまてらすおおみかみの霊力によって、閉められており、屈強な男神といえど開けることができないと思われます。

そこで、思金神おもいかねのかみは、天照大御神あまてらすおおみかみが自ら天の石屋戸あめのいわやとを開けるようなシナリオを描いたのです。

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