古事記を読む(57)上つ巻-大国主神

 







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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」

根之堅洲国ねのかたすくに

しかし、八十神やそがみは、探し求めて追いついて再び現れました。

弓に矢をつがえ、大穴牟遅神おおなむぢのかみを引き渡すよう求めました。

これに対して、大屋毘古神おおやびこのかみは、大穴牟遅神おおなむぢのかみを木のまたから逃がし、

須佐之男命すさのおのみことのいらっしゃる根之堅洲国ねのかたすくにに行きなさい。必ずその大神(須佐之男命すさのおのみこと)が取りはからってくれるでしょう」

と言いました。

大穴牟遅神おおなむぢのかみは、言われたとおりに須佐之男命すさのおのみことのもとへ向かいました。

すると、須佐之男命すさのおのみことの娘の須勢理毘売すせりびめが出てきて、大穴牟遅神おおなむぢのかみと互いに目を合わせたのみでそのまま結婚してしまいました。

須勢理毘売すせりびめは、御殿に戻り、父の須佐之男命すさのおのみことに、

「とても立派な神がいらっしゃいました」

と言いました。

 

根之堅洲国ねのかたすくに須佐之男命すさのおのみことが以前、「母である伊邪那美神いざなみのかみがいる根之堅洲国ねのかたすくにに行きたい」と泣いていましたね。

このことから、根之堅洲国ねのかたすくにイコール黄泉国よみのくにという説もありますが、ここは諸説あり議論が絶えない部分です。

生存している須佐之男命すさのおのみことが居る訳ですから、イコール黄泉国よみのくにではないと個人的には思いますが。

参考:古事記を読む(24)上つ巻-天照大御神と須佐之男命

 

ちなみに大国主神おおくにぬしのかみは、須佐之男命すさのおのみことの6世孫ですが、これで義理の息子にもなったことになりますが、人間では、6世先の先祖にあうことは不可能ですが、事故などに合わない限り、神様に寿命はないということで、この当たりの時間軸はかなりめちゃくちゃなものになっています。

参考:古事記を読む(48)上つ巻-天照大御神と須佐之男命

 

目と目が合い結婚し、結婚後、父親に報告。

神様同士の結婚は、異様に早いのが特徴です。

そして、
記憶に新しいと思いますが、大国主神おおくにぬしのかみは、この前、八上比売やがみひめと結婚したばかりです。

結局、

須勢理毘売すせりびめと結婚して須勢理毘売すせりびめが正室になり、八上比売やがみひめは、側室になってしまいます。

また、須勢理毘売すせりびめの嫉妬のため、八上比売やがみひめは、大国主神おおくにぬしのかみとの間に出来た子を残して、家を出て行くということになります。

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