古事記を読む(212)中つ巻-第15代・応神天皇
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日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。
古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」
天之日矛
天之日矛は、妻の
阿加流比売神が逃げたことを聞くと、日本まで追って来ました。
難波に到着しようとするとき、その海峡の神が遮って
天之日矛を入れませんでした。
天之日矛は、引き返して、
但馬国(兵庫県北部)で待つことにしました。
天之日矛は、この
但馬国に留まって、
多遅摩の
俣尾の娘である
前津見と結婚して生まれた子が
多遅摩母呂須玖。
その多遅摩母呂須玖の子が、
多遅摩斐泥です。
その多遅摩斐泥の子が、
多遅摩比那良岐です。
その多遅摩比那良岐の子が、
多遅麻毛理
多遅摩比多訶
清日子
です。
その清日子が当摩之咩斐と結婚して生まれた子が、
酢鹿之諸男
妹の菅竈由良美
です。
多遅摩比多訶が姪の
由良度美と結婚して生まれた子が、
葛城之高額比売命です。
この葛城之高額比売命は、息長帯比売命(神功皇后)の母親です。
天之日矛が日本に持ってきた物は、
玉津宝という宝です。
珠二貫、
浪振比礼、
浪切比礼、
風振比礼、
風切比礼、
また、
沖津鏡、
辺津鏡、
あわせて8種です。
これは伊豆志の社の八座の大神です。
伊豆志の社の八座の大神:出石神社(兵庫県豊岡市)は、この8種の宝を御神体としている。
神功皇后の母親である
葛城之高額比売命が、新羅の皇子である
天之日矛の子孫であると記述しています。
かつて神功皇后は、身重の身でありながら、新羅征伐に乗り出しました。
この新羅征伐は、神のご神託であったワケですが、こうした血統の背景があって新羅にかかわったと見る方が自然ではないかと思います。
天之日矛が持ってきた8種の宝の
比礼は、布のことで、海に関わるものです。
神功皇后は、
住吉三神(底筒男、中筒男、上筒男)といい、海と非常に関係が深いことが分かります。
参考:古事記を読む(195)中つ巻-第14代・仲哀天皇
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