古事記を読む(22)上つ巻-伊邪那岐神と伊邪那美神

 







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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」

三貴子みはしらのうずのみこ

しかし、伊邪那岐神いざなきのかみの仰せに従って三貴子みはしらのうずのみこは、それぞれの領域を治めていましたが、須佐之男命すさのおのみことだけは仰せに従わず、あごひげが伸びて胸まで届くほどの間泣きわめいてばかりいました。

須佐之男命すさのおのみことが泣くことによって、

青々とした山は枯れてしまい、

河と海の水は干上がってしまうほどでした。

そのため、悪神たちの声が夏のはえのように辺りに満ち溢れ、災いが起きました。

 

そこで伊邪那岐神いざなきのかみは、

須佐之男命すさのおのみことに、

「どうしてお前は国を統治せずに泣いてばかりいるのか?」

と尋ねました。

 

須佐之男命すさのおのみことは、

「わたしは、ここを去り亡き母の居る根之堅洲国ねのかたすくにへ行きたいのです」

と答えました。

 

これに伊邪那岐神いざなきのかみは怒り、

「それならば、お前は、この国に住むな」

と言い、須佐之男命すさのおのみことを追放してしまいました。

 

伊邪那岐神いざなきのかみは、今では近江の多賀大社に鎮座していらっしゃいます。

しっかりと読み解けているとここで矛盾を感じます。

須佐之男命すさのおのみことは、伊邪那岐神いざなきのかみみそぎで生まれた神です。

伊邪那美神いざなみのかみから生まれた訳ではありません。

しかし、須佐之男命すさのおのみことのなかでは、伊邪那美神いざなみのかみを母と認識しています。

 

もう1つ。

根之堅洲国ねのかたすくに

伊邪那美神いざなみのかみは、黄泉国よみのくににいるのでは?

黄泉国よみのくに根之堅洲国ねのかたすくにと考えることもできますが、わざわざ呼び名を言い換えているということは、根之堅洲国ねのかたすくには、死者の国であることに違いはないでしょうが、黄泉国よみのくにとはまた違う場所ではないかとも考えられます。

個人的には、根之堅洲国ねのかたすくに黄泉国よみのくには、違う場所ではないかと思いますが、

これには諸説あって、未だによく分かっておりません。

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