古事記を読む(253)下つ巻-第22代・清寧天皇 2019-05-24 WRITER 雨野やたしげ この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 皇位の譲り合い 翌朝、意祁命おけのみことと袁祁命をけのみことは、相談して、 「だいたいの朝廷みかどの人たちは、朝は朝廷みかどに参上するが、昼は、志毘しびの家に集まっており、今は、志毘しびは、まだ必ず寝ている。また、その家に人はいない。だから今、謀はかりごとを実行するするのは難しくないであろう」 と言いました。 そして、軍勢を集め志毘臣しびのおみの家を囲み、殺してしまいました。 こうして、2柱の王子みこたちは、それぞれ天下を譲り合いました。 意祁命おけのみことは、弟の袁祁命をけのみことに譲って、 「針間はりま(播磨)の志自牟しじむの家に住んでいたとき、おまえが名を明かさなかったら、こうして天下を治める君主にはなれなかった。だから、これは、おまえの功績である。わたしは、兄であるが、やはりまずはおまえが天下を治めなさい」 と言いました。 そして、断ることができず、弟の袁祁命をけのみことがまず天下をお治めになりました。 仁徳にんとく天皇も兄弟間で皇位を譲り合っていましたが、意祁命おけのみことと袁祁命をけのみことも互いに欲を露あらわにすることなく、皇位を譲り合います。 そして、天下を治めるきっかけをつくった功績ということで、弟の袁祁命をけのみことが第23代・顕宗けんぞう天皇として即位します。 第22代・清寧せいねい天皇の条は終わりです。 次からは、第23代・顕宗けんぞう天皇です。 この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 前の記事 -Prev- 古事記を読む(252)下つ巻-第22代・清寧天皇 次の記事 -Next- 古事記を読む(254)下つ巻-第23代・顕宗天皇 関連記事 - Related Posts - 古事記を読む(185)中つ巻-第12代・景行天皇 古事記を読む(234)下つ巻-第19代・允恭天皇 古事記を読む(140)中つ巻-第5代・考昭天皇 古事記を読む(225)下つ巻-第17代・履中天皇 最新記事 - New Posts - 雨水:霞始靆(かすみはじめてたなびく) 伊勢物語-第八十一段 塩竃 雨水:土脉潤起(つちのしょううるおいおこる) 伊勢物語-第八十段 おとろえたる家