古事記を読む(256)下つ巻-第23代・顕宗天皇

 







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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」

猪甘いかい老人おきなへの復讐

天皇は、かつて父が雄略ゆうりゃく天皇に殺されたため、お逃げになったときに、猪甘いかい老人おきな御粮みかれい(干した飯。携帯食)を奪われたことがありました。

 

天皇は、この老人おきなを探し出すと、呼び寄せて、飛鳥河あすかがわの河原で斬り殺しました。

 

またその一族の膝の筋を断ち切りました。

 

こういうわけで、現在までその子孫が大和に上る日は、必ず自然と足が不自由になり、その足を引きずるのです。

そして、その子孫にその老人おきながいた土地をよく見させたので、その土地を志米須しめすと言います。

天皇は、かつて父が雄略ゆうりゃく天皇に殺されたとき、身の危険を案じ、兄弟で逃げたことがありました。

そのときに、御粮みかれい(干した飯。携帯食)をこの猪甘いかい老人おきなに奪われるのですが、「何者か?」と訊くと、この老人おきなは、ご丁寧なことに職業を名乗ります。

 

おまけに顔に刺青をしていました。

 

そういうワケで、探し出すのは、さほど難しい作業ではなかったように思います。

 

そして、この老人おきなを殺害するだけではなく、その子孫の膝の筋を断ち切ります。

 

先祖の罪は、子孫の罪・・・儒教的な考えですね・・・今の日本人には、あまり存在しない感覚です。

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