古事記を読む(50)上つ巻-大国主神
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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。
日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。
古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」
因幡の素兎
大国主神には、兄弟神である
八十神がいました。
しかし、この兄弟神はみんな、大国主神に国を譲ってしまいました。
その国を譲った理由というのは、
その八十神は、各々、稲羽(因幡:鳥取県東部)の八上比売と結婚したいと思っていました。
そういう訳で、因幡に行くときに、大穴牟遅神(大国主神)に袋を背負わせて、従者として連れて行きました。
気多(鳥取県)の岬に着いたときに、毛をむしり取られ、皮を剥がれた
兎が倒れていました。
八十神:この「八十」も実際に兄弟が80人いたのではなく、八百万と同じく「数が多い」ということの例えです。せいぜい十数人あたりが妥当だと思います。その多くの兄弟神をまとめて八十神と呼んでいます。
大穴牟遅神:大国主神と名乗るのは、もう少しあとになってからで、このときの大国主神の名です。
袋を背負わせ:「袋持ち」、「袋担ぎ」は、身分の低い者の仕事とされていました。
この「因幡の素兎」の章では、結論を先に述べて、「その理由は~」という構成をとっているのが分かります。
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